以前取り上げた記事や動画がおかげさまで非常に好評を頂いています。
そのTUNEEが新しい機能を提げて再登場しました。
それがSora 2との統合によるMV制作機能の向上です。
今回はそれらの機能を掘り下げて行き、何が出来るようになったのか?どんな人におすすめなのか?についてお届けしていきたいと思います。
内容としては以下の3つです。
他AIとのコスパ比較
生成過程の実践的デモ
個人的な意見
ちょっと辛口な意見もありますが、TUNEEの使用を迷ってる人や気になっている人、最新のAIの動向が気になる人などに刺さる記事になると思いますので最後までご覧ください。
結論
今回のアップデートによりMV生成の「コスパ」と「手軽さ」が群を抜いて優位に立ったと思います。
正直「Sora2の統合」を大きく取り沙汰するメディアこそあれど、今年の10月にOpenAIがAPIを公開済みとなっています。
スピーディーな実装ではありますが、他のAIでも今後増えていく機能と予想されるのでそこまで大きな革新とは呼べません。
しかし、コスパが大幅に向上して「MV制作」のハードルが格段に下がったことは事実です。
11月4日にSora2が統合されたことがニュースとして配信されましたが、続けざまの11月12日にMV制作の機能がアップデートされました。

「以前のモデルと比較して75%削減」とありますが、他の動画生成AIと比べると90%以上のコストカットにもなりうります。
【私たちのビジョン ― ミュージック・デモクラシー(音楽の民主化)】
私たちはプロの音楽家の芸術性と情熱を深く尊敬しつつも、誰もが音楽を通して自己表現する権利があると信じています。
私たちが作っているのは単なる“音楽”ではありません。
誰もが自分らしく、音を通して表現できる世界――テクノロジーが創造性の障壁になるのではなく、その手助けになる世界――音楽制作の喜びがすべての人に開かれた世界を目指しています。
上記の引用はTUNEEのビジョンなのですが、非常に良い事を書いています。
誰もが気軽に自己表現が出来るようになるための「パートナー」になるというのがTUNEEの使命であり、それを実現するための大きな一歩が今回のアップデート内容の「真実」だと考えています。
それでは本題に移っていきます。
他の生成AIとのコスパ比較
有料プラン比較
TUNEE単体でProプランを使用した場合と比較して各生成系AIを組み合わせた時の料金をざっくり比較してみました。
プランはそれぞれ一番低い有料のものを想定しています。

ご覧いただくとTUNEEのコスパ優位性がかなり目立っています。
音楽生成自体はSunoでも月$10で相当数作れますが、動画生成AIとなるとそうはいかないのがこの記事の大事な点です。
そしてTUNEEの強みであるコスパの高さと合わせて、MV制作の「作業時間」が圧倒的に少ないのも上記から読み取れます。
音楽制作を対話の中で進めていく中での「歌詞」や「音楽プロンプト」を上手く動画の中に反映しながら世界観をリンクさせた動画をTUNEEは作ってくれます。
AIを分担させた場合は、自由度こそ高まるかも知れませんが、AI間での情報共有などそれなりの手間暇が必要になってきます。
無料プラン比較

でも!出来ることなら無料で作りたいというのが人情というものだと思います。
他の動画AIであれば秒数やウォーターマークが入るという制限があったりしますがTUNEEの場合は非商用なだけで、存分にMVを制作することができます。
TUNEE Freeについて詳しく説明すると、毎日150クレジットが配布されて、30秒動画を作るのに46クレジット。
曲を作るために対話の量や生成する曲数によっても変わってきますが、20〜100クレジットぐらい。
なので、1日で良い感じの曲が生成出来れば、後日以降の150クレジットを全て動画生成に当てることが出来ます。
実践的生成方法について
それでは実際に生成していく過程やその結果を見て頂きましょう。
曲を生成したら、ジャケット下のマークから「MVを作成」を選びます。

そうすると会話が進んでいきます。
今回の主題であるSora2を使ったMVを作っていきます。
クレジットを46消費して、30秒の動画を作れるのでかなりコスパが良いです。

すると、楽曲のどの部分を使用するかを決めることが出来ます。
現時点では残念ながら秒数の増減は出来ず30秒間固定での生成となっています。
今回はサビを使って進めていきます。

次のページでは「MVタイプ」と「ビジュアルスタイル」を決めることが出来ます。
ナラティブというのはストーリーボードを作って物語中心の動画を生成します。
一方、ダンス/アイドルというのは、カメラに向かってのダンス振り付け動画を生成します。こちらの場合スターリーボードは生成されません。

ビジュアルスタイルは現在20種類が用意されています。
歌詞字幕のオンオフや動画の向き、オプションとしてムードやシーンやストーリーを自分で追記したら動画生成をスタートしていきます。
待ち時間としては10分が目安ですが体感4~8分ほどで生成されます。
そして出来上がったものがこちらです。
ソフトシネマ&ナラティブ
この手順を踏んで生成したものをいくつか紹介します。
他にこんなのが作れました
東京ネオノワール&ダンス/アイドル
フィルム・ノワール&ナラティブ
ドリーミースカイ&ナラティブ
手描きアニメ&ナラティブ
IMAXエピック&ダンス/アイドル
ワンクリックでフルMVは不可
何だか出来そうな気がしてしまいますが、30秒固定での生成となるためワンクリックフルMVの生成は現在は出来ません。
30秒ずつ作っていくしか無いのですが曲の頭と終わり際に前後1~2秒ぐらいのフェードイン&アウトがかかるので少し重ねて生成していく必要があります。
4つの動画を繋げてイントロから2番Aメロまでの2分弱の動画を作ってみました。
個人的な意見
初心者におすすめのコスパの高さ
これが今回のアップデートで特筆すべき点です。
無料プランであれ、曲とMVが悠々と作れてしまうというのはかなり優しい設計だと思います。
TikTokなどのショート動画用に曲を作って、ぱぱっとMVを作ってみたいという人には非常におすすめできます。
別の記事でも紹介した通り、個人的に「TUNEEの音楽」自体が好みなので動画云々はおまけ程度に考えていました。
しかし、ストーリーボードなどを使ってMVのイメージを膨らませるなど「創作プロセス」の手助けにもなると感じています。
中級者以上には「物足りない」
前述したTUNEEのビジョンが「制作の喜びを支えるパートナー」になるという趣旨でした。
確かに楽しみや喜びを得ることは出来ますが、「もっと良いものを作りたい!」という向上心に寄り添うのは現時点ではちょっと難しいのかなと率直に思いました。
具体的には、
フルMV生成の現実的な課題
ご覧いただいたように、各クリップを独立生成していくため、登場人物や背景の一貫性はあまり期待できません。
そして、クリップ順序の調整や色味調整など後処理が必須であり、出力される解像度があまり高くありません(多分720Pぐらいだと思います)。
他AIとのコスパと品質の壁
正直、音楽・動画のクオリティという意味で言うとSunoやRunway、Pikaなどの方が高いというのは否めません。
しかし、それらのツールを使いこなすためには多くの時間とお金が必要になってきます(プロンプトを学んだり良いものが出るまでのガチャ生成など)。
これらの負担や苦労をトレードオフにしたものが今回のTUNEEの強みです。
今後に期待してみようと思う
どういう人がTUNEEを使うべきなのかを考えてみると、
このあたりかなと考えます。
前述したように、Sora2の統合については、既にOpenAIがAPIを公開しているため「実用的」ではありますが「革新的」ではないと言えます。
せめて音楽機能がSunoと並ぶぐらいの高品質で細やかなステム分離などを実装してくれればかなり優位性は上がると思うのですが…。

相変わらずTUNEEが作る音楽自体は好きなので非常に楽しませてもらっています。
とにかく、低予算MV制作にはTUNEE一択と言っていいほどのアップデートを遂げてくれました。
「コスパ重視」という甘美な響きがお好きな方は是非触ってみてください。
私は、これからも期待し続けていきます。
このブログ記事が、皆さんの音楽制作に役立つ情報を提供できることを願っています。
さらに詳しい情報や、ご意見ご感想があればぜひコメントをお待ちしています。







