無償配布が始まった BABY Audio「Pitch Drift」を入手したのでその所感を報告します。
Pitch Driftについて
公式トレーラー 0:27
Pitch Drift はピッチの変動を導入して、トラックをより有機的で自然な感じにします。影響は、楽器のサウンドを不自然にしない微妙な不安定性から、トラックを明らかにチューニングから外してしまう強烈なピッチドリフトまでさまざまです。
このエフェクトは、常に 100% チューニングされることのないアコースティック楽器にインスパイアされています。これらの微妙なピッチの不安定性は、複数の楽器を組み合わせてミックスし、音楽のサウンドをより豊かにするときに悪化します。Pitch Drift を使用して、デジタル ピッチの完璧さの呪文を打ち破り、トラックをもう少し振動させます。
特徴:
✱「微妙な有機的なドリフト」から「重度の調子外れ」までの範囲のピッチ変動を導入できます
✱メイン スライダーを使用して変動の「深さ」を設定し、画面にカーソルを合わせて「速度」を設定します
✱ Super VHS の Drift アルゴリズムを利用– 同じ自然で心地よいゆらぎ効
果を提供します(公式サイト翻訳文より)
読んで字のごとく「ピッチを彷徨わせるように揺らす」プラグインです。
Lo-Fi HipHopなどに多用される不安定なピッチ感を演出できます。
各社ピッチを揺らすプラグインは出していますがこういうのは何個あっても良いもんですし特色が少しずつ違います。
また、同社プラグインのアルゴリズムを使ってより自然な揺らぎを作れるようです。
各パラメーターについて
設定できるのは2つのみと非常にシンプルな設計になっています。
Speed
画面にカーソルを合わせると設定できるのが「スピード」です。
速さという表現が適切かどうかわかりませんが個人的には「変化の周期」をコントロールできると感じました。
0に近いほど変化の周期は長くなりゆっくり変化し、
99に近づくほど周期は短く目まぐるしく変化します。
Amount
下のスライダーで設定するのが「変化量」です。
「変化量」は変化の「深さ」とも言い換えられます。
どれだけピッチをずらすかの「幅」をここで決めます。
微妙な不安定さを演出するなら少なめにするし、
大きく破壊してカオスな音にするなら100に近づけていきます。
実際に使ってみる
AVENGERでシンプルなトラックを作りました。
※無加工ver
speed:20 Amount:100
speed:99 Amount:20
speed:99 Amount:100
やはり両方とも最大まで上げると音が壊れますね。
飛び道具的使用法
1曲通してずっと音をずらし続けるのも悪くはないですが
印象に残るワンポイント起用についても考えてみました。
オートメーションで徐々に音が崩れていく効果は
イントロやパート間に使いやすいのではと思います。
オートメーションに関しては別記事があるので良かったら読んでみてください。
PC負荷について
構成がシンプルということもあり、めちゃくちゃ軽いです。
AVENGERの規格外な負荷と比べると一目瞭然。
入手方法
公式サイトに移動し空欄の中にメールアドレスを入力するだけでもらえます。
メールには今回のものに加え以前より配布している3種類のプラグインとサンプルパックがダウンロードできるリンクが付いていますので一気に入手する事ができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
シンプルなプラグインではありますがPCへの負荷も少なく気軽に起用できます。
公式サイトにも記載はありましたが、音作りの順序としては
一旦Amountを100にする
speedで変化周期を決める
Amountを下げつつ良い塩梅で止める
という感じになるかなと思います。
ぜひ使ってみてください。