とっくの昔にLo-Fiという言葉に辟易していた時に見つけたこのプラグイン。
銘打っているのは「ムーンバウンスシミュレーター」ということでした。
興味をもって本家サイトを覗いてみると、月との交信の歴史が延々と書いてありその奇妙さと本気のこだわり加減がとても面白く、操作方法に関しての記述が少なかったので本記事にて取り上げてみます。
内容は、
各パラメーターの解説
使用方法とデモ音源
上記をお届けします。
製品概要
ベルリンを拠点とするミュージシャン、ハインバッハとの 7 回目のコラボレーションでは、星に耳を傾けます。Moon Echo は、宇宙で最も近い隣人である月を電波の反射鏡として使用する通信技術に基づいた、無料でダウンロードできるディレイです。これにより、地球と月の動きによって変調された、かなりザクザクとした生き生きとしたエコーが生まれます。月の表面は不完全な鏡であり、他のエコー技術とは異なり、アーティファクトを作成します。Moon Echo は、音楽的なローファイ効果であると同時に、宇宙について教えるための遊び心のあるツールでもあります。
Martine-Nicole Rojinaの協力を得て、Hainbach 氏は大型の電波望遠鏡のアンテナを扱っている Dwingeloo の CAMRAS と連絡を取りました。CAMRAS は、数百万ユーロの歴史的なこの機器を月面着陸に使用させてくれることを快く承諾してくれました。これにより、Hainbach 氏はテスト信号、ソプラニストのJohanna Vargas 氏とコントラバス奏者のPaul Cannon 氏による音声と人間のテストトーン、および Patreon の支援者からの信号を月に送信することができました。特に、Cannon 氏と Vargas 氏がそれぞれの機器で使用した拡張技術により、送信限界がテストされました。これにより、単純なテストビープ音やスイープよりも、Moon Echo をモデル化するためのサンプル セットがはるかに多様化しました。
月面着陸はそれぞれ異なり、モデルは 1 か所の 1 日のみに基づいているため、正確であるとは言えません。しかし、これは音楽における宇宙研究の応用を楽しく刺激的に考察したものです。
ベルリンを拠点とする作曲家のハインバッハさんとコラボして作られたプラグインのようで、実験的な音楽を生み出しているとのこと。
プラグインの仕様についての文言では、
自動レベリング回路のエミュレーション
無線送信機の入力および出力段のエミュレーション
可変「ムーンダスト」ノイズ
などなど見慣れない言葉が並んでいます。
実際に各パラメーターを見ていきます。
各パラメーターについて
TRANSMIT
まずここが理解するのが難しいです。
見慣れないRXとTXというのは、「TX」は送信結果、「RX」は受信結果を意味しています。
つまり、ボタンが光っている状態はTXモードで、月に送った音を鳴らします。
逆にボタンを消したRXモードは、月から反射した音を鳴らします。
SIMPLEXモード
このモードでは、一方向の音のみを鳴らします。
ボタンを付けたり消したりすると、音が反射して聞こえてきますが、後述するディレイタイムやフィードバックとの調整がめちゃくちゃ難しいです。
思いつく使用方法としては、
MIX100%にしてノイジーな音の表現
ボタンをランダムに切り替え効果音として使用
が挙げられます。
DUPLEXモード
こちらは双方向の音のやり取りをエミュレーションしています。
ボタン設定はTXのみとなっていて、消した状態(RXモード)では、何の変化もありません。
こちらは、MIXを下げてディレイや音色変化をさせることが出来、こちらのモードの方が有用性は高い気がしました。
DOPPLER
真ん中にあるドップラーのノブは、文字通りドップラー効果を表しています。
反射してくる音を変調することが出来ます。
原音とは違う高低の音を返すと不協和音のような不思議で幻想的な音になります。
思いつくのは、
デフォルト、もしくは微調整で使用
オートメーションでサウンドスケープっぽく使う
です。
ちなみに、各ノブはダブルクリックすると、デフォルトの位置に戻るので覚えておいてください。
SPACE TIME
ここは、普通のディレイと同じような使い方で問題ありません。
⽉までの距離を調整できて、エコー時間が変わります。
細部のこだわり点として、ここを調整すると中央の月の大きさが変わります。
エコーのフィードバック量を制御します。
ノイズの量を決めます。
結構大きな音で鳴るので、個人的には2~5ぐらいで十分でした。
PING MOON
ここが一番個人的にグッときました。
ボタンを押すと、NASAのHorizonsシステムに接続してオランダにあるドウィンゲルー電波望遠鏡現在から月までの現在の距離を取得します。
それに応じてTIMEの値が変わります。
Dust Envelope
Moon Dustは設定するとずっと音が鳴り続けます。
その時にUI右上の3本線から、「Dust Envelope」をONにすると、その音が鳴っている時だけノイズが発生します。
割と必須な設定なのに分かりづらいところにあるのでチェックしてください。
使用方法
DUPLEXモード
プリセットの「Signal Decay」を少しいじって使ってみました。
MIXを0%から徐々に上げていきます。
SIMPLEXモード
前述した、ノイジーな音の表現で使ってみます。
公式でもおすすめされていた方法です。
MIXは100%に設定したままにしとくべきなのですが原音との比較のために徐々に上げていきます。
全体にかけてみる
曲全体がローファイでノスタルジックさを感じるようになりました。
2時間DTMで制作した曲にプリセットの「Play in C」を改変して作りました。
まとめ
個人的にはDUPLEXモードで空間を表現したり、TIMEやFEED BACKを最小にしてコーラス効果を付与する使い方が好きでした。
無料プラグインですがこれは持ってて損はないと感じました。
良かったら、本家サイトを覗いて入手してみてください。
このブログ記事が、皆さんの音楽制作に役立つ情報を提供できることを願っています。
さらに詳しい情報や、ご意見ご感想があればぜひコメントをお待ちしています。