バージョンアップを繰り返してSlam2へと数年前に進化した本製品がセールになっていました。
Ver.1の「SlamDawg」は過去めちゃくちゃ使っていました。
なので今回は下記について見ていきたいと思います。
各パラメータの解説やレビュー
Ver.1のSlamDawgとの比較
概要
SLAM2 は、複雑で素晴らしいサウンド処理を舞台裏に隠し、非常に直感的で、チャンネル、ドラム、ボーカル、シンセ、またはミックス全体を「ファッテン」するために必要なすべてのコントロールを備えたシンプルで刺激的なインターフェイスを提供するように設計されています。このシンプルなインターフェイスの背後には、非常に複雑な処理が隠れています。
本家サイトより抜粋
・トラック、バス、ミックスに最適
・パンチの効いたクリアでワイドなサウンド
・プラグインチェーンなしでプロの結果を実現
・混乱を招くパラメータはありません
プロモーションを見ると、「音を太くする」ことに全振りしているような感じです。
EDMやエレクトロな音楽を見据えて作られたように思います。
各パラメーターについて
ダイヤルに付いている名前で大体の効果は分かる感じがしますが、一応Plugindoctorを使って細かく見ていきたいと思います。
挿した段階では下図のようになっています。
80~90Hz辺りに窪みがあって、60Hz辺りが1dBほど増えています。
Mudcut
挿した段階で増えていた60Hz辺りからガクッと下がっていき、100Hzぐらいまで影響を受けます。挙動を見ると、音作りのために特化したような印象を受けます。
Boom&Thump
サブハーモニックジェネレーターとして60Hzらへんが増えると同時に可変Qにてディップが作られます。
10時~12時ぐらいで十分な効果が出ているように感じます。
100Hz~150Hz辺りが上がり、350Hz辺りに幅の広い窪みが作られます。
最大限に回しても-6dBほどなので、割と詳細なセッティングまで追い込めるのではないでしょうか?
HEAT&AIRZ
サチュレーターとしてのHEAT
HEATはサチュレーターです。
マニュアルには「2種類のミュージカルチューニングを…」との事ですが、めちゃくちゃ分かりにくかったです。
H1とH2のスイッチがあるのですが、H2は歪み出すのですがH1はほぼ変化なしでした。
ダイヤルが0(OFF)の時と1以上(ON)の時で発生する倍音が違うので注意が必要です。
高域ブーストのAIRZ
6KHz以上が1dB以上上がります。
高域~超高域にエアー感を付与するセクションとなっています。
Crush&Pop
これらはダイナミクスセクションとして、Crushはリミッター、Popは1176FETベースのコンプレッサーとして動作します。
Popはノブを回していくと、レシオが変化するようで、ポンピングが発生するほどに強烈な圧縮をします。1時の方向よりも右に回すと、リリースがグッと遅くなります。
また、どちらも使用すると倍音が発生して歪むのですが、HEATの量やそれぞれのダイヤルが関係しあっているらしく、画一的なデータにはなりませんでした。
実際の出音
今回はドラムバスとマスターに挿した2パターンを用意しました。
設定は上記の通りです。
前作Ver.1との比較
前述したように、このプラグインには前作があります。
HEATの掛かり方がだいぶ分かりやすかったり、変化が大きかったように思います。
改めてプリセットを分析してみると、周波数特性がもう凄いことになってます。
その分Slam2はプリセットの数は豊富で、パートごとに使用できるようにもなっています。
確認してみたら、現在は製造中止になっていました。
うーむ、なんだか時の流れを感じます。
まとめ
やや丸くなって使い勝手が向上した本製品「Slam2」でした。
大人しめというか、上品な進化を遂げていると言っても良いでしょう。
個人的には前作ぐらいやんちゃでも良いなというのが正直なところです。
これにしか出来ない事というのは思いつきませんが、手持ちが不足しているなら十分戦力になるし1ドルで手に入るならお買い得だと思います。
本家サイトも覗いてみてください。