Pluginboutiqueでまとめ買いセールをしていた際に購入しておりそのレビューをやっと書きます。
下調べをしていたのですが、あまりに情報がなく英語のマニュアルから使い方を学びました。そのTIPSや使用感などをレビューしていきたいと思います。
製品概要
複雑なリズミカルな動きを創造し、実験する
Freezr は、革新的で表現力豊かな方法でオーディオをキャプチャ、操作、シーケンスするように設計されています。オーディオのセグメントをリアルタイムでフリーズし、これらの
フリーズしたオーディオの「スライス」を構造化された音楽作品にアレンジします。
創造的な可能性は事実上無限です。パフォーマンス中に表現力豊かな操作を行うために、オーディオのセグメントをリアルタイムでフリーズします。
• VST、VST3、AU、AAX、AUv3、スタンドアロン
• 独自のランダム化コントロール
•組み込みのパターンプリセット
• パターンの無限のバリエーションを生成またはリミックス
• ステレオ/モノモード
• 2つの個別シーケンサー
• リミックスモード
• 複雑度スライダー
スタッターと言われるエフェクトで、短いループを繰り返して変化をつける時に使います。
デモ動画を見て分かる通り、ビート・ボーカル・ウワモノなど使える範囲は広く、EDMなどのエレクトロな音楽に向いています。
デモ音源
深夜の2時間DTMで作った曲で使用していたので紹介します。
ひとつはシンセ、もうひとつはアルペジオ。
前半はバイパスで、後半から使用しています。
ふわふわとした音色も好きですが、後半のリズミカルに音が動くのも曲の中ではひそかなスパイスとして非常に役に立ちます。
設定としては上記の通り使いましたが、プリセットをほぼ流用したものとなっています。
使い方のコツ
ランダマイズ機能を使用
プラグインにはデフォルトプリセットが約40個ほど収録されており、そこから操作を始めるのが正着な気がします。
上部中央の丸いボタンをクリックすると、無限にリズムパターンを生成してくれます。
一番左の3点ボタン
標準的なランダマイズ機能で、全く新しいシーケンスを生成します。
中央左の矢印ボタン
このオプションを有効にすると、各ステップがわずかにランダム化されます。
似たようなシーケンスでのわずかな差異を作るのに有効です。
中央右の雷ボタン
このボタンを押している間だけFreezr はランダム化されます。ボタンを放すと、シーケンサーは以前の状態に戻ります。
Complexityスライダー
シーケンスの複雑さを指定します。
変化するのはシーケンスパターンのみで、後述するGATEやWET成分の割合等は変わりません。
なので、これらを使えばプリセットの設定を生かしてシーケンスフレーズのみを変化させることが出来ます。
インフィニティモード
Infinityボタンを使うと、音楽の再生中に常に新しいパターンを生成し続けることができます。これにより、各再生がよりユニークになります。
右側の数字は何週したらランダムに切り替わるかを設定することが出来ます。
上記の動画は「1」で設定しているのでどんどん切り替わりますが、最大64まで設定することが出来ます。
フィルターモジュール
カットオフとレゾナンスの調整が可能なフィルターモジュールを使用して、エフェクトの音色を形作ることができます。
このセクションはオートメーションで動かすことが出来るので別で設定すれば、より動きが出てダイナミックな音色になります。
サビ前で高揚感を出す
使い道としてぱっと浮かぶのはこのあたりでしょうか。
見逃しがちなロックボタン
初見では私は分かりませんでした。
ランダマイズ機能を使用する際に「ここは変えたくない」という部分にロックをかけることが出来ます。
下記の動画で、ロックマークがついている部分は変化していないのが分かるでしょうか?
GATE&SMOOTHについて
繰り返しの継続時間をコントロールします。
よりかみ砕いた言い方だと、値を小さくするとより、ロボットやグリッヂっぽくノイズのような音になります。
そして値を大きくすると、よりスムーズに原音が聞き取れるようになります。
よほど実験的なものでなければ、60~100%の範囲が個人的には好きです。
各繰り返し間の滑らかさを制御し、繰り返しごとにわずかなフェードインとフェードアウトを追加します。
より高い値を使用すると、より滑らかな結果が得られます。
気になる場合はDRY/WETで調節するのが良いと思います。
デモ音源
ドラムに使用してみました。
ロックをかけてみたり、インフィニティモードでどんどんシーケンスを変化させてみたり、フィルターを動かしてみたり…。
リズムが複雑化したことでより刺激的になったと思います。
競合する製品
iZotope Stutter Edit 2
やはりぱっと思いつくのは、StutterEdit2でしょうか。
名前に冠してる通り、スタッターエフェクトの代名詞になっています。
違いとしては、MIDIコントロールが前提のため操作のステップがいくつか多いことと、ランダム機能は搭載されておらずプリセットから動作させることが多い点でしょうか。
単体購入というよりもバンドルに付属してくるのでいつの間にか手にしてるパターンが多いかもしれません。
Sugar Bytes Turnado
こちらに関しては過去記事を書きました。
こちらは空間系や歪みなどのエフェクトも搭載しており、スタッター単体というわけではないのですが、同じようなシーケンサープラグインです。
まとめ
競合製品も多くエフェクトの効果としては単純なので、「これにしかできない!」という音を作るというのはかなり難しいです。
この製品は、ランダム化と手軽さを武器にしたエフェクトプラグインという立ち位置でしょうか。
ゆらぎや変化のための小さなひと手間が聞き手を飽きさせない楽曲のクオリティの決め手だったりもします。
本家サイトや各代理店でもセールをやっています。
ぜひ覗いてみてください。