個人的に「買って良かった」第1位のバンドル製品である「KOMPLETE」。
これまでも度々当ブログでも記事にしてきました。
そして今年もやってきた「Summer of Sound 2025」の大セール。
毎年大体6月と12月に行うセールで、このタイミングで購入を検討する人が多い印象です。
新規購入も33%OFFと割り引かれていますがやはり目玉はアップグレード/アップデートの50%OFFでしょう。
そんな中で、私は12 Standardから15 Ultimateに去年アップグレードしました。

約8か月ほど使ってみてどんな人にどのグレードがオススメなのかを収録内容にも触れながらお届けします。
結論から言うと
個人的にはUltimateがオススメです。
まぁ自分が持っているからというバイアスがあるのは否めませんが、これには以下の理由があります。
生楽器&クラシック系が充実している
Standardは物足りなくなる
Collector’s Editionは色々試される
順番に解説していきます。
生楽器&クラシック系が充実している
音源の充実度合いで言うとUltimateが一番バランスが良いです。
もちろん最上位モデルは有無を言わさず全部入りなのですが、予算的な部分も加味すると一番満足度が高いと思います。

上図はそれぞれに収録されているカテゴリ別の音源数なのですが、StandardとUltimateで大きな差が開いている一方で Collector’s Editionとは大差がありません。
特にクラシック楽器はUltimateから多く収録されてくるので魅力のひとつです。
また、別の記事でも記載した「Spotlight Collection」という民族楽器シリーズがありますが現状すべての製品が収録されているのはUltimate以上からとなります。

上図を見ると、インドネシアの「Balinese Gamelan」、日本や中国の「East Asia」、アイリッシュ音楽の「Ireland」はUltimate以上からとなっていて、和風やアイリッシュを作りたい人は検討すべきグレードだと思います。
このあたりもUltimateから収録されているのですがよく使っています。
所謂バンドサウンドや弾き語り曲から少し外れるような音源の拡充を狙いたい人にはUltimate一択だと思っています。
逆にまだドラム音源やピアノ音源、EQやコンプみたいな基本的なプラグインが揃ってないという場合には、Ultimateを検討するのはもう少し先でも良いかも知れません。
シンセサイザーやFX系は?

生楽器系ばかりお話をしてきましたが、シンセサイザーの収録内容は大差ないです。
FX類も「Ultimateの恩恵受けたわぁ~!」というほどでは無い気がします。
前述したようにUltimateを検討している人はそれなりにシンセや音源やFXが充実していると思うのでこのKOMPLETEにおける恩恵はやや薄いかもしれません。
Standardは物足りなくなる

私はDTMを初めて1年ぐらい経ったタイミングでKOMPLETE 12 Standardを購入しました。
あれこれ少しずつ音源やFXを拡充していき曲作りにも慣れ始めたタイミングで一気に手持ちのレベルアップを図りました。
その時は、KOMPLETE KONTROL Aシリーズ(MIDIキーボード)との同時購入キャンペーンみたいなのをやっていてかなりお得にキーボードとKOMPLETE12を入手した記憶があります。
初めの内はめちゃくちゃ大満足でした。
Massiveを始めとした有名シンセサイザーや業界標準サンプラーのKONTAKTを入手したことでサードパーティー音源も検討することが出来るようになります。
しかし、遅かれ早かれ先ほど記載したような生楽器系やシネマティック系音源のパワー不足を感じるようになってきてしまうのは明白でしょう。
じゃあStandardはやめとくべき?
ここまで言っておきながらなんなんですけど、Standardを購入したことを悔やんでいるかというと全くしていません。
自分のレベルアップに合わせて音源もアップデートされたという感覚があるため、むしろ正しい順序を踏んでこれたと感じています。
では、それを踏まえてStandardがオススメな人というのは下記になります。
KONTAKTは初心者であればあるほど、早ければ早いほど持っておくのが良いです。
本当におすすめです。
単品購入は個人的にはもったいないと思う派なので、この1点だけでもStandardはおすすめできます。
もちろん一気に上位モデルを購入するという私のように形から入るタイプも全然ありだと思います。
後々アップグレードする踏み台にもなってくれるので金額的に丸々損を被るということもありません。
1つの指針として、
KOMPLETEそのものを買おうかどうしようか迷っている人は「Standard」
買うことは決めているがStandardにするかUltimateにするか迷っている人は「Ultimate」
最初に浮かぶ選択肢がどっちかによって自身の音楽スキルも俯瞰できると思うので試してみてください。
Collector’s Editionは色々試される

貫禄のあるKOMPLETE最上位モデルですね。
Ultimateとの違いを端的に言えば、クラシック系音源とエキスパンションの数です。
余談ですがNI社の音源のデモ動画は本当にかっこよくて創作意欲と購買意欲がそそられるので是非見てみてください。

上図は先ほども出したものなのですが「クラシック楽器」の欄を見るとUltimateから3つしか増えていないように見えます。
しかし、それは違っていて8個の製品が上位版へとグレードアップしているのです。

左の黒いのが「Collector’s Edition」の上位版。
右の白いのが「Ultimate」の下位版となっています。
少し見づらいかもしれませんが、下位版の容量は3GBであるのに対し上位版は34GB。
同シリーズのブラス音源も下位版は6.5GBで上位版は47GBとなっています。
この差こそ「Collector’s Edition」の真価であり検討する余地なのです。

エキスパンションの数も全部入りとなると相当な数が入ってきます。
これによりMassiveXやBATTERYなどで色んな音色を追加することが出来ます。
そりゃ買えるなら買いたいよ!筆頭のバンドルですが、私自身はまだ購入は早い気がしています(使いこなせる気がしない)。
どんな人におすすめかと言われると…想像でしかないのですが下記の人でしょうか。
「色々試される」と書いたのは、金銭面に限らず使いこなせるかどうかのスキルだったり、今は無理でも必ず血肉にして見せるという覚悟だったりをほんとに試されているなと感じます。
あれ、Selectは?
Komplete 15 SelectというのはKOMPLETE入門編みたいなもので厳選された音源やFXが収録されています。
それぞれジャンルごとにBeats、Band、そしてElectronicの3種類が用意されています。

定価は約\15,000-ぐらいで、セール時で\7,500-前後という価格なのですが…。
個人的には、無しです…。
わざわざ購入するのはちょっと勿体ないかなと感じます。
理由は下記の3つです。
収録内容が微妙で中途半端
ハードウェアの特典として付くことがある
KONTAKTが入ってない
特に1番最後のKONTAKTがどのグレードにも入ってないというのが衝撃でした。
KONTAKTが入ってるものがあればそれ一択でおすすめ出来たのですが…。
NI社としてもやはりKONTAKTが入っている「Standard」以上を購入してKOMPLETEを心ゆくまで楽しんで欲しいのでしょう。
もちろん、購入するのは間違ってるっていう事では無いのですが、もしも迷っている初心者の方がいるならば、「Standard」以上からの方が良いよとお伝えしときます。
忘れちゃいけない大事な2点
外部ストレージも忘れずに!

忘れてはいけないのがKOMPLETEの容量のデカさです。
Standardでも300GB、最上位は1TBを超してきます。
これをPC本体に保存しようものならかなり容量を圧迫されてしまいます。
私も15Ultimateを購入した際に2TBのSSDを購入しました。
必ずKOMPLETEを購入する際は外付けのHDDかSSDをセットで検討しましょう。
バージョンアップの周期を把握
前述したブログでも書いたのですが、KOMPLETEのリリースには周期があります。
それは現状2年周期でやってくるということです。

KOMPLETE15は2024年9月に発表されたので、このままの予測でいくと2026年の秋ごろにKOMPLETE16が発表されてもおかしくありません。
私がSNS等で見る限り毎回バージョンアップしている人はあまり見かけません。
つまり、1回買ったら何年かはそのまま使い続けてここぞという時にバージョンアップをする人が多数ということです。
私自身も12 Standardから15 Ultimateまで一気にアップグレードしました。
その間にリリースされた全製品が一気にインストールされるので毎回アップグレードするよりも賢い選択だと思っています。
このことから、今回は「Standard」にしておいて、何年後かのアップグレードで「Ultimate」に変えてしまうとか、今回はMIDIキーボードの特典として「Select」を貰っておいて次の16発売で「Standard」にするというのも一つの手段だと知っておいてください。
買って良かった筆頭
KOMPLETEは総合音源という立ち位置ではありますが、他の製品のように1つのプラグインの中に色んな音源が入っているというものではありません。
個々で独立した音源が集まって出来ている「DTM界の銀河系軍団」なので圧倒的にクオリティが高いです。
それに加えて、iZotopeやbrainworxとも提携したことでエフェクト類も高品質なものを兼ね備えた非の付け所の無い無敵バンドルになっています。
初心者のために曲作りの手助けになるような機能を有した音源も多く、上級者も満足できるクオリティを兼ね備えた私的にイチオシのバンドルとなっています。
その分お値段もしますし、勇気がいるのは間違いないのですがぜひ検討してみてください。
このブログ記事が、皆さんの音楽制作に役立つ情報を提供できることを願っています。
さらに詳しい情報や、ご意見ご感想があればぜひコメントをお待ちしています。