弾き語り

【シンガーソングライター】個人的な作詞の書き方のテクニックをまとめてみた!作詞のタブーや歌詞のテンプレートを大公開!

あばん
あばん
歌詞を書くのって難しいよね…
もーだん
もーだん
思ったような良い歌詞にならないんだよね…

今まで楽曲を制作してきて、私は歌詞を書くのが曲作りの中で一番好きな工程であり、歌詞を書くために曲を作っていると言っても過言ではありません。
もちろん。メロディやアレンジが誉められるのも嬉しいですが「言葉選びが良い」「独特な表現が好きだ」「沁みる」と言ってもらえるのが至上の喜びとなっています。

そしてその分、心苦しく頭を悩ませる工程でもあります。
今回はその苦しみの中で得た知見や作詞に関しての個人的なTIPSを書いていきたいと思います。
作詞で悩んでいる方や、新たな知見を欲している方にこの記事が役立てば幸いです。

早速ですが見ていきましょう。

歌詞のテーマ選び方

何について書きたいかというテーマを決めることは物凄く大事です。
私は、1曲1テーマまで出来るだけ落とし込むようにしています。
例えば、一口に「ラブソング」と言ってもテーマによって千差万別です。

学年のマドンナに向けたストレートな告白
長年連れ添った奥さんへの愛
上京していった別れた恋人への未練
夏祭りで見かけた意中の人へのもどかしい気持ち
などなど…

あばん
あばん
確かに「ラブソング」だけでもたくさんあるね

もーだん
もーだん
ここまで具体的に落とし込めると筆が進みやすくなるよ!

メッセージは内的or外的?

個人的に意識しているのは「自分のための自慰的な歌詞」か「他人に影響を与えたい歌詞」のどちらを書くのかということです。
それらを言い換えたのが「内的か外的か」という言葉になります。

例えば、内的な歌詞だと

あの子が好きだけど何にも行動できない
伝えたいのに伝えられない
目で追ってしまうけど目が合わないのが悔しい
どうせ僕なんかは想いを伝えられない
どうして振り向いてくれないんだい?
あぁ、毎日が辛い

自分の中で考えが巡っていて自分の情けなさをただ感じているだけです。

そして、外的な歌詞だと

あの子が好きだけど何にも行動できない
伝えたいのに伝えられない
けれどもうすぐで卒業してしまうから今からでも伝えなくちゃ 
自分の本当の気持ちに嘘はつかない
後悔だけはしたくないんだ

「勇気を出すことの尊さ」「自分の気持ちを偽らない大事さ」みたいなメッセージを乗せてみました。

外的なメッセージを発する方が共感は得やすいと思います。
明快なテーマだとより多くの人に届きやすい歌詞になりやすいです。
その代わり、月並みでありふれた物になりやすいので、視点や単語の選び方などの世界観で差別化をする必要があります。

内的なものは、ややもすれば「ポエム」になりがちです。
しかし、メロディが乗ってしまえばあまり関係ないと思っています。
共感からは離れてしまいがちですが、歌詞の境遇や立場環境がぴったりハマれば深く刺さる歌詞に化けます。

この内的・外的のバランス、共感と主観の比重は作詞の中で意識しています。

メッセージを届ける相手を考えて内的・外的のバランスを意識する

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君・僕・私についてのマイルール

1人称・2人称の呼び方は当然統一すべきです。
そして、これらを多用しすぎないようにとても意識しています。

多用した例だと、

君の後ろ姿を僕は目で追っている
僕の視界に君は入ったままなのに
君はいつも気付かない
僕の思いは届かないまま
まだ僕の喉の奥につっかえている

大袈裟な例かも知れないし、それが悪いと言うわけではないですが個人的には避けるようにしています。
というのも、聴きざわりがよくない事と「君」や「僕」ではフォーカスが大き過ぎて情景があまり入ってこないからです。

後ろで束ねた髪をまた目で追ってしまう
カバンについたキーホルダーが夕暮れを反射している
蛍光色のイヤホン片手に君は教室を出てしまった
すりガラス越しに見えなくなる影にさえ僕は声をかけれない

このように書くと、「夕方の教室で下校の時間」だということが伝わるかと思います。
また女の子の持ち物にフォーカスを当てたことで雰囲気も先ほどに比べてグッと想像しやすくなったのではないでしょうか?
叙情的かつ効果的に風景を描写出来るようになるのでおすすめです。

僕・君を使わず物にフォーカスを当てて風景を描写する

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パート別の歌詞の展開

色んな作詞に関する書籍やサイトを見てきた中でよく言われるのが「ストーリーを作ろう」みたいなことです。
しかし、それでは言葉足らずで「どこから何をしたら良いか」がわからないのでは?と感じました。
ここまでを踏まえて、私なりの歌詞のおすすめテンプレートを紹介します。

Aメロ=風景描写と伏線仕込み

Aメロはどういう舞台設定なのか?
俗にいう5W1Hの「3W」を意識して書くようにしています。

「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」

冒頭でこれを提示しておくと、聴く人も歌詞に入り込みやすいし、時間の移り変わりを描くときに「時が経ったんだな」と知らせることができます。

伏線の仕込みというのは、例えばサビでハッピーな気持ちになるメッセージを届けたいのであればAメロで「多忙で仕事ばかりの毎日」という伏線を張っておけばサビでの説得力がますという感じです。

あばん
あばん
ほえぇぇ…色々考えて書いてんだね…
もーだん
もーだん
あくまでも一例だからね!

マフラーが溢れるオフィス街
街を彩るイルミネーションが徐々に灯り始める
僕は目もくれることなくいつも通り地下鉄へと向かう

Bメロ=内的心情やサビに向けての準備

個人的にはBメロの歌詞とメロディが一番苦心します。
往々にして、サビのメロディとメッセージが決まっていて、Aメロで風景や設定の提示をするのでBメロが良くも悪くも一番自由度が高いのです。

意識しているのは、徐々に主人公の気持ちを混ぜていってサビへの足掛かりとなるように作詞することです。
突き刺さる具体的なワンフレーズや作者の色が出しやすい部分でもあるので腕の見せ所です。

歌詞の内容によってはここで先ほど仕込んだ伏線を回収してしまうこともあります。
今回の例では、ここで主人公は恋人と破局して未練があることが分かるように書きました。

去年の今頃は2人でいたのに
ハイテクな手袋なんだよ!
と笑ってプレゼントしてくれたのに
僕の両手はかじかんだまま
これからもずっと…

サビ=内的な心情とメッセージの爆発

サビは曲中で一番盛り上がるところですので、内的な心情を歌うのにとても向いていると思います。またキャッチーな言葉を畳み掛けるのもよくある手法です。

同じ言葉を繰り返すリフレインが使いやすいのもこのサビパートですね。
今回の例では、主人公の内的な未練が溢れている様子を書きました。

もう一度 もう一度だけ
やり直せるならどの冬からにしようか
こんなにも こんなにも
君で溢れた僕だったのに
思いは降り始めた雪みたいに落ちて溶けた

今回の歌詞をまとめて見ると、

マフラーが溢れるオフィス街
街を彩るイルミネーションが徐々に灯り始める
僕は目もくれることなくいつも通り地下鉄へと向かう

去年の今頃は2人でいたのに
ハイテクな手袋なんだよ!
と笑ってプレゼントしてくれたのに
僕の両手はかじかんだまま
これからもずっと…

もう一度 もう一度だけ
やり直せるならどの冬からにしようか
こんなにも こんなにも
君で溢れた僕だったのに
思いは降り始めた雪みたいに落ちて溶けた

あばん
あばん
なんだか情景が浮かんできて…

もーだん
もーだん
グッとくる伝わる歌詞になったね…!

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個人的に思うこと

作詞に間違いとかない!

誰がどう書いても正解であり成立するのが作詞だと思っています。
一生懸命書いた傑作のつもりなのにいまいち評価してもらえない…
適当に書いたゆるい歌詞なのにやけに褒めてもらう…

受け手によって評価が変わってしまうものだから、むしろ作詞のテクニックよりも「自分が書いたこの歌詞が大好きだ!!」と言えるメンタルの方がよほど重要なのかも知れません。

単語に秘められたパワーは凄い!

文字数制限の多い作詞において、単語のパワーは偉大です。

イルミネーション→冬、クリスマス、夜、ワクワク
砂浜→夏、海、ノリノリ、一方で切なさ、夏の終わり
桜→春、可憐、幻想的

など、想起されるものが同じであればあるほど共感性は高くなります。

あばん
あばん
「満員の地下鉄」や「深夜のファミレス」と聞いたら…
もーだん
もーだん
だいたい同じようなイメージを持つもんね!

しかし、それは逆にその言葉のイメージに囚われやすく月並みな歌詞に寄り始めているという事でもあります。

夏の始まりをイメージさせる際に、「強い日差し」や「夏祭り」で想起させるのではなく「赤茶けた紫陽花」と書くとオリジナリティが出ると思いませんか?

ネット類語辞典はめちゃくちゃ使う!

「この感情を伝えたいのに文字数が入らない!足りない!」という事がよく起きるのが作詞です。
その時は即検索しましょう。
勉強になるし、この作品のクオリティが少しでも上がるなら労力を厭わない意味は無いでしょう。
普段目にしないような単語がスッと入るだけで聴く人にも、んんっ?!なんだ?!と思わせることが出来ます。

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まとめ

個人的なコツについて書いてみましたが、最後にもう一つだけ紹介します。

これでOK!ってなるタイミングまでやる

思うのは、架空の「砂時計」のようなものが用意されていて作詞に向き合うたびにサラサラと砂が落ち、全部落ち切ったタイミングで私たちは「これが完成形だ!」と思うように出来ているのではないかということです。

5分だろうが、1日だろうが、1週間だろうが、砂が落ち切るまで向き合うことが大切だと思います。
そして、その中のプロと呼ばれるクリエイターたちはその度用意される「砂時計」の容量が小さくて自分の中で正解を出すまでのスピードが速いということです。

作詞は良くも悪くも作者の趣味嗜好が丸裸にされます。
前述したようなメンタルを身につけることも大事ですが、それを乗り越えて歌詞を褒めてもらった時は丸裸の自分、ひいては今までの人生全てを肯定して貰えたかような幸福感を味わえます。

作詞でお悩みの方にこれらが役に立てたなら嬉しいです。

ABOUT ME
池田 耕平
夫婦アコースティックデュオ「アバンdeモーダン」のメンバー。 作詞作曲とDTMを使った編曲やミキシングを担当。 メイン楽器はアコギとハーモニカ。 DAWはStudioOne。 ・音楽制作(BGM・ボカロ) ・夫婦ライバー ・YouTube運営(カバー・DTM解説) ・当ブログ運営
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