タイミングが良いのか悪いのか…。
先日「SUNOのステムはMIDIに変換すべし」的な動画&記事を上げたばかりでした。
タイミングとしてはこの動画の翌々日にSUNOの大型アップデートが発表され、「SUNO Studio」がpremierプランの方向けに登場しました。
これはDTMをやっている人間としてチェックしない訳にはいかないと、早速確認してきました!
本記事では「MIDIステム」について特に掘り下げた記事にしていきます。
DTMでDAWに慣れ親しんでいる人にとってはこの「MIDI」の精度が気になるところかと思います。
触った感じSUNO Studioについてはかなり学習コストが取られそうな感じがしたのでしっかり使えるようになってまた別の記事でやっていこうと思います。
今回の内容としては以下の3つです。
・率直な印象
・MIDIステムを実際に触ってみた
・今後到来しうる未来
率直な印象
いきなり結論なのですが、「MIDI出力は大きなニュースだが、時代を変えるほどの実用レベルかと言うとそうじゃない」です。
ちょっと辛口な気もしますがこれが正直な気持ちでした。
多分DAWを使っているミュージシャンや音楽家の方ならほぼほぼ同意見になると思っています。
理由としては、下記の3つです。
MIDI自体のクオリティ
ここが一番の肝ですよね。
ドラム、ベース、ギターなど各パートをMIDI出力してみたのですが、あまり実用的だとは思いませんでした。

・ドラムMIDI
キックとスネアは読み取ってくれるがハイハットがあまり読み取られていないです。
それぞれのノートマッピングの意図があまり分からなかったです。

・ベースMIDI
主要な音はそれなりに抽出してくれました。
青紫色の短いノートはフレットノイズやゴーストノートを表しているのだと思うのですが、逆に不自然になってしまっています。

・アコギMIDI
ギターのMIDI演奏は個人的にめちゃくちゃ難しい部分だと思うので、まぁ仕方ないかなと思っています。
調整に手間取りそうなMIDI
ベロシティも一定だったり、規格通りにマッピングされている様子もありません。
変なキースイッチが働いているのか?と思うぐらいに余計なノートが散見されます。
強いていえば、ピアノ系はまだMIDIの音階がはっきり識別されている感はあります。
しかし、音価の長短が今ひとつな感じも見て取れました。
ピアノ系、ベース系、ボーカル系ならまだマシかと思いますが、それ以外は余計な修正に時間を取られてしまいそうな気がしています。
曲のテンポの揺れに引っ張られている
SUNO Studioを触っていて気付いたのですが、SUNOの曲は結構テンポが揺れます。

これがMIDIに反映されているので、自分の曲に取り込もうとするとちょっと面倒なことになります。
これが良さといえば良さなのですが、DAWに取り込んで作業をするとなると…。
もしかしたらSUNO側の設定でテンポを一定にすることが出来るかも知れないので、一応頭の片隅に入れておいて欲しい情報です。
Melodyneとかの方が優秀…?
ピアノ系はまだ聞き取れるし、そこまで破綻してない旨を前述しましたが、正直私の場合、Melodyneを使ってMIDI出力するほうが修正が少ないように感じました。
そもそもSUNOステム音源自体に他のパートの被りが入ってたりするので、そこの検出や分離精度が向上すれば大きく改善していく様な気がします。
実際に触ってみた
基本的には上記3点をなぞるような形になりました。
やはり、もう一歩欲しいという印象ですが、折角アップグレードしたので色んな曲でMIDIステム出力を試して見ました。
きっと流れで見てもらった方が良いと思うので良かったら下記の方をご覧ください。
早まった気がする…。
今回の大型アップデートが来たときに勇んでアップグレードしてしまったのですが、もしかして「MIDI出力」だけならプロプランでも出来た可能性があります。

表示が少し変わって「Get Stems/MIDI」となっていてSUNO studioに入らずともできる様な気がしてしまうのです。
分かる方、ProプランでMIDI出力出来たよ!という方は良かったらコメント等で教えてください…。
そして注意…
そして念のため、補足しておきますが、今回の記事ではAIの進化や新機能について貶めたりする気持ちは一切ないことを改めてお伝えしときます。
確かに現状ではやや物足りず、変なMIDI出力によって変な音が鳴ってしまうこともありますが、それを小馬鹿にするといった意図は無いです。
もし不愉快な気持ちになった方がいれば申し訳ありません。
今後到来しうる未来
私が今回出力されたMIDIを触って検証していて思ったのは「音楽生成AIが初めて出てきた時みたい」ということでした。
まさに、「あぁ、まだこんなもんか」という印象でした。
しかし、SUNO Studioには「Beta V1.0.0」の文字があります。

まだ上位プランユーザー向けのベータ版であり、これからの進化の伸び代を多く残しているという方が正しいような気がします。
ぜひ先立って投稿されたSUNOステムの使い方の動画も良かったらご覧下さい。
ゆくゆくは、DAWのように貼り付けられたMIDIをSUNO内で編集したり、楽器の音色を変えたり出来る様になって来るのだと思います。
DAWを使って日々音楽作りに励んでいる方を勝手に私は同志だと思っています。
DAWの様にSUNOが使えると言っても、現時点で「DAW」を使えているほうがアドバンテージがあるのはまず間違い無いでしょう。
現状の生成AIの進化の観測点としてこの記事が世の音楽家のためになれば嬉しいです。
また何か新しい発見があれば共有させて頂きますのでぜひお楽しみに。
このブログ記事が、皆さんの音楽制作に役立つ情報を提供できることを願っています。
さらに詳しい情報や、ご意見ご感想があればぜひコメントをお待ちしています。