Tunee AIという次世代エージェント型音楽生成AIをご存知でしょうか?
Sunoで作られた曲がネット上で耳にする機会が多くなった昨今、新しいAIが誕生しました。
今回は、このTunee AIを試してみた使い心地や音質などのレビューをお届けします。
DTMとの相性が非常に良いAIだと感じました。
後述しますが創作意欲がめちゃくちゃ湧きます。
内容としては以下のとおりです。
正直な品質レビュー
「対話型」で難しいプロンプト不要
Suno AIとの比較&各機能紹介
サービス概要

8月末に大型アップデートが入り現在はウェイトリストという形で順番に利用が可能になっていくみたいです。
有料プランもありますが、無料プランでも「現状」は十分使えるし楽しめています。
今はベータ版とのことなので正式リリースが入ったら諸々の機能に制限がかかってしまいそうなので(特に後述するステム分離など)体験するなら今のうちかも知れません。

正直な品質レビュー
生成した音楽例(一部抜粋)
いかがでしょうか?
個人的な感想としては以下のとおりです。
日本語ボーカルがちょっと微妙
トータルはSunoの方が上
でも曲がSunoよりもグッとくる
正直Sunoの方が品質としては全然上だと思います。
編曲やアーティキュレーション、表現力やボーカルの日本語発音など、Sunoの進歩が目覚ましいと言わざるを得ません。
調べてみるとAIは自社開発オリジナルモデルである「TemPolor」と併せて「Suno」も使われているみたいです。
ただ、SNS上でSunoっぽい音楽を聴き飽きているのか、Tuneeの作る楽曲が私にグサグサ刺さります。
そして音質等がまだ甘いので、「俺が作り直したい!!」と創作のモチベーションがめちゃくちゃ湧きます。
Sunoの曲を聴いてた時には無かった感情がここまで掘り起こされたのは私自身非常に驚きました。
難しいプロンプト不要の「対話型AI」
ざっくりオーダーでも汲み取ってくれる
ここがTuneeの非常に良いところなのですが、対話形式で曲作りがスタートします。
Sunoはプロンプトで曲のジャンルなどを指定しなければなりませんが、Tuneeの場合ざっくりしたオーダーでも内容を読み取って3パターン提案してくれます。
「楽しい感じ」「青い海」「カラフルな世界」みたいなざっくりとしたオーダーでも可です。


対話が始まって、今回は2番で生成をお願いしていきます。
そうすると「パーソナライズされたプラン」ということで3STEPに分けて生成が始まっていきます。
ステップ 1: 音楽プロンプトを作成

このプロンプトを自動で作ってくれるのですが、このプロンプトはSunoにも使い回しすることができます。
ステップ 2: 歌詞を執筆

そして、歌詞を自動で作ってくれます。
まぁ好みは分かれる部分ではありますが、やはり日本語ボーカルが入ってくれるだけで楽曲のイメージや受け取る印象が大きく変わります。
ステップ 3: 楽曲を生成

そしてSTEP3で生成完了となり2パターン作ってくれます。
もし気に入らなければクレジットを消費してさらに2曲生成することができます。
計4曲生成して私のお気に入りがこちらです。
インスピレーションモード
さらに凄いのが、アップロードした画像や映像を解析して楽曲を生成する機能です。
言葉なぞ使わずともAIが汲み取ってくれるので、詳しい音楽の知識や専門的な言葉を知らなかったり、曲のイメージが湧かないみたいなところからでも曲作りをスタート出来ます。
例えば、下記のようなオーダーをしてみました。

Tuneeからの返答が下記です。
女性ボーカルなら、きっとこの画像の雰囲気をやさしく彩ってくれそうですね。
わあ、なんて幻想的で魅力的な画像でしょう!この一枚から、たくさんの音楽的なインスピレーションが湧いてきますね。
この画像は、まるで深海のステージでライブをしているかのような、不思議で美しい世界を描いていますね。
- 色彩と雰囲気: ターコイズブルーとパステルピンクの髪、そして水色のベースギターが、全体に夢のような、少し神秘的な雰囲気を醸し出しています。水中の気泡や、サンゴのような装飾が、さらにその世界観を深めています。
- キャラクター: ぱっちりとした瞳でこちらを見つめる女性は、どこかあどけなさを残しつつも、ベースを抱える姿は力強く、音楽への情熱を感じさせます。
- 音楽的要素: ベースギターがメインで描かれており、マイクスタンドやドラムの一部らしきものも見えますね。水中の要素とロックバンドの要素が融合しているのがとてもユニークです。
この画像から感じるのは、夢幻的でありながらも、どこか力強さやエモーショナルな響きを持つ音楽の世界です。
素敵なイメージですね!この画像にぴったりな女性ボーカルの音楽アイデアをいくつかご提案しますので、お好きなものをお選びください。
1. 幻想的なポップバラード 水中の夢のような雰囲気を活かし、やさしく包み込むメロディと透明感のある女性ボーカルで仕上げます。
2. エモーショナルなロックチューン ベースギターの存在感を活かし、力強いビートと情熱的な歌声で、画像のエネルギーを表現します。
3. オルタナティブなアンビエントポップ 神秘的な世界観を重視し、浮遊感のあるサウンドと繊細な女性ボーカルで、独特な空気感を演出します。
ご希望のスタイルをお選びいただければ、音楽制作をスタートします!もし他の要素は変更せず、画像の雰囲気のみ反映したい場合は、そのままでも大丈夫です。
めちゃくちゃ読み取ってくれるし、当たり前ですが言語化がとても上手です。
ここで、3番を選んで生成した曲が下記になります。
他の画像でもいくつか作ってみました。
生成のとっかかりがあるのは非常に敷居が低くて良いですし、初心者の方でも難しいプロンプトが不要な設計になっています。
Suno AIとの比較

ややTunee推し感は出てるかもしれませんが表にまとめてみました。
前述したように曲全体のクオリティや表現力はSunoの方が上だと思います。
ただ、Sunoの場合有料プランでないと使用できない機能だったり、実装されてないものがあります。
順番に見ていきましょう。
ステム分離
分離されるファイル数はどの曲も固定で、6つのファイルをダウンロード可能です。
分離の精度はまぁぼちぼちです。そんなに優秀というほどでもない感じ。
Otherで楽器がごちゃ混ぜになっているのは少し痛いですが、まぁ許容範囲と言ったところでしょう。
マスタリング



Tunee側でリファレンスを提案してくれてマスタリングをかけてくれます。
正直、ここに関しては自分で出来るし生成された曲をそのまま使うことは考えていないので試してはいません。
それこそ餅は餅屋として、Ozone12などを使えばまた印象が変わる曲になるでしょう。
ただ、ここで生成した楽曲をサブスクに直送する場合などは重宝する機能です。
MV生成

画像生成にはMidJourney、動画生成にはKlingV2.1やDreaminaV3などの外部AIを使用してMVも生成してくれます。
歌詞やプロンプトから雰囲気や景色を汲み取って場面を繋いだMVを作ってくれます。
MV生成手順
手順というほど難しいこともないのですが解説します。

アスペクト比やMVにする曲の範囲を設定します。
曲の長さによって、カット数や消費するクレジットが変わってきます。
私の場合、「20秒で約160クレジット」「60秒(最大)で約480クレジット」でした。
そしてビジュアルスタイルを選択します。
5つ提案してくれるのでお好みのものを選びましょう。
今回は1番上の「Motion Blur Dreams」を選択しました。



ここまで時間こそかかりますが、自動で進んでいきます。
そして生成されたイメージや過程に変更がなければMV全体を生成していきます。
そして出来上がったのが下記です。
別の曲でも作ってみました。
つぎはぎと言った所ではありますが、まぁここまで作ってくれれば上出来と言ったところでしょう。
お詫びと訂正

TUNEE本家サイトのプランページにしっかりと記載がありました…。
2025/9/11現在のベータ版は全機能を開放していますが、正式リリースを迎えると機能は制限されてしまうみたいです。
上記の機能、「マスタリング」「ステム分離」「MV生成」はプロプランからの使用となる見込みですので、この場で訂正させていただきます。
雨後の筍、群雄割拠のAI
色んな技能を持つAIが次から次に産まれてくる時代になりました。
Suno AIの1強かと思っていましたがどんどん革新的なアイデアや機能を持ったAIがこれからも出てくるのだと思います。
僕は音楽を自力で作ってきた側の人間ですが、AIについては否定的ではない以上、肯定派に属するのだと思っています。
AIの曲をそのまま発表というのは流石にないですが、そこから得られるものはあると感じています。
今年の2月にKREVAが出したアルバムについてのインタビューで、生成AIの技術を取り入れていると本人が答えていました。
この記事を読んで、なぜかとても安心したし心強く思いました。
こんな感じで大物ミュージシャンや著名な作家がAIを導入したというニュースが出れば風向きも大きく変わっていくような気がします。
ガラケーVSスマホ論争が過去にあったように、いつかAIが日常に溶け込む日は来てしまうのが実情ではあるでしょう。
そういう中で新しい技術を柔軟に取り入れつつ、自身のスキルを磨いていくことが大事だと感じました。
Tuneeは現在、ウェイトリスト加入により順次使用出来る状態です。
ネットを探すと招待コードを出してくれている方もいますので運が良ければすぐに使用出来るかも知れません。
日本語対応しているので使いやすいし、難しいプロンプト無しで気軽に音楽を作ってみたい方はぜひ使ってみてください。
このブログ記事が、皆さんの音楽制作に役立つ情報を提供できることを願っています。
さらに詳しい情報や、ご意見ご感想があればぜひコメントをお待ちしています。