【決定版】UAD無料配布プラグイン10種完全解説+プロ評価+私のおすすめBEST3|LTD$2,500



皆さんもご存じであろう、界隈を騒がせているUADの無償プラグイン配布キャンペーン。
11月のブラックフライデー時期に1つ、そして追加でもう1つ配布をしています。
内容としては、10種類のプレミアムプラグインから好きな1つを完全無料で獲得できるというもの。クーポンコード「HOLIDAYFREEBIE」をチェックアウト時に入力するだけで、通常購入で$149~$299かかるプラグインが0円になります。
しかし、どれを貰ったらいいのか分からないという人、多いのではないでしょうか?
せっかくの高品質なUADプラグインで失敗したくないという気持ち、非常に分かります。
少し出遅れた感こそありますが、自分の備忘録も兼ねて、改めてこれらの10種類を比較・レビューしていきたいと思います。
内容は以下の3つです。
・プラグイン完全解説
・知っとくべき注意点
・個人的おすすめ注意点
無料対象プラグイン完全解説
1. Teletronix LA-2A Tube Compressor

LA-2Aは言わずもがな、伝説的なコンプレッサーです。
特に、ボーカルとベースに優れた自然な圧縮を施します。通常のコンプレッサーと違い、トランジェントを保ちながらも響きを整えてくれるため、ダイナミクスは統制されるのに音は「太く」聞こえます。
特徴としては以下の通り。
シンプル操作:Peak ReductionとGainしかなく、意図的に設計された制限が制作の迷いを軽減します。
Limit/Compressスイッチ: 同じプラグインで3:1のコンプレッション、またはハードリミッティングを切り替え可能です。
チューブサチュレーション:ハードに入力を上げると、倍音豊かなTUBEの歪みが加わります。
このプラグインが向いている人
- ボーカルレコーディング時の「つやつやした」質感が好きな方
- 圧縮感を目立たせず、音の粒立ちを保ちたい方
- アナログ的な暖かさを求める方
デモ音源
2. UA 1176 Classic FET Compressor

1176はLA-2Aの対極をなすようなコンプレッサーです。超高速アタックと鮮烈な音色で、攻撃的なサウンドメイクが得意です。
瞬時にトランジェントを捕捉し、ドラムのパンチを保ちながらダイナミクスを制御します。
また初心者向けのTipsとして、1176は「逆」操作が特徴です。Attackノブは左に回すほど遅く、右へ回すほど速くなります。またReleaseも同様となっています。
特徴としては以下の通り。
オールボタンモード:4つのレシオボタンを全て押すと、強烈な圧縮が作動してエネルギッシュな音になります。
入力トランス: 通すだけで音が「太く」なり、出力トランスも倍音追加に貢献しています。
このプラグインが向いている人
- ロック・メタル・ヒップホップの迫力ある圧縮が好きな方
- ドラムの「尖った」アタックを活かしたい方
- 圧縮の「キャラクター」を前面に出したい方
デモ音源
3. Pultec Passive EQ Collection

非常に著名なEQですが、単なるEQではなく、同じ周波数を同時にブーストとカットできる奇妙な設計が、プロ・アマ問わず70年以上愛されています。
通常のEQは「いらない周波数を削る」ですが、Pultecは「欲しい周波数を足す」感覚で使われます。マイナス値でなく、思い切ったプラス値から始めてみてください。
過去の記事でもこのPultec系のプラグインを比較しています。
良かったらご覧ください。
ブーストとカット同時設定:EQP-1Aの独特な設計。例えば3kHzをブーストしながら2kHzをカットすると、「音楽的」な凹凸が生まれます。
ハーモニック・モデリング:UA最先端のモデリング技術で、オリジナルハードの変圧器・フィルター特性をデジタルで再現しています。
このプラグインが向いている人
- ビンテージEQの「美学」に惹かれる方
- ボーカル・ベース・ドラムに「音楽的」な質感を加えたい方
デモ音源
4. Galaxy Tape Echo

Galaxy Tape Echoは「昭和的なファンタジーが詰まった」プラグイン。
1950~60年代のテープエコー機構と、スプリングリバーブを同時処理でき、サイケデリック~ヴィンテージポップに最適です。
複数ヘッド選択:Reverb Only / Echo Only / Reverb + Echoを切り替え。トンネルのような空間から映画的なエコーまで自由自在です。
テンポシンク対応:DAWのテンポに自動追従するため、ビートに対してジャストなディレイが得られます。
ウォームな飽和特性:入力つまみを上げると勝手に歪みが加わり、デジタルの無機質さが消えます。
このプラグインが向いている人
- ビンテージ・サイケ・映画的な響きが好きな方
- エコー・リバーブの「機械感」を活かしたい方
- アニメ・映像音楽・ポップスの制作者
デモ音源
5. Oxide Tape Recorder

Oxide Tape Recorderは最もシンプルなテープエミュレーションです。
各トラック・バスにアナログテープ特有の「圧縮感」「ウォーム感」「ルーズ感」を付加。デジタルの「ツルツル」したボーカル・ドラムを、一瞬で「レコードのような」温かさに変えます。
2つのテープスピード選択: 7.5IPS(ゆったり、ウォーム)と15IPS(クリア、パンチ)の2種類があります。
2つのEQ曲線: NAB(アメリカン)とCCIR(ヨーロッパン)の標準化された倍音特性。
Input/Outputノブのみ: シンプル操作で、Input をいじるだけで自動的にテープサチュレーション量が決定。
このプラグインが向いている人
- テープの「ぬくもり」を全トラックに加えたい初心者
- シンプル操作で効果的な処理が好きな方
- レコードのような「丸い」音が好きな方
デモ音源
6. Century Tube Channel Strip

Century Tube Channel Stripは「1つで完結」するスマートなレコーディングチャンネルストリップ。マイク入力→プリアンプ→圧縮→EQの定番フロー全てが詰まっており、シンプルな設計でプロ品質を実現。
Tube Preamp(ゲイン2段階):入力つまみで歪み亮をコントロール。
Opto Compressor: LA-2A型の滑らかなオプティカル圧縮。ボーカル・ベース向けのスムーズな圧縮をします。
このプラグインが向いている人
- ボーカル・アコースティック楽器のレコーディング品質を上げたい方
- 「1つの処理」でプロ感を出したい方
- Apolloハードウェア所持者
デモ音源
7. PolyMAX Synth

PolyMAX Synthは「古き良き」アナログシンセの設計をモダンに再設計されました。
Prophet・ObeheimなどのVCO型ポリシンセを意識しながらも、CPU負荷を最小化した軽量シンセです。
ベース・パッド・リード・エフェクト音まで幅広い音色を生成でき、8ボイス・ポリフォニーのため、パッドやストリングスなども素直に鳴らせます。
Waveshape Morphing:オシレーターの波形を滑らかに変化させ、静的でない「生きた」パッド音を実現。
FM & Sync:オシレーター間のFMシンセシスとハードシンク機能。金属的な音色も簡単に作れます。
Voice Panning:8ボイスが自動的にステレオ展開。空間感豊かなシンセプレイ。
このプラグインが向いている人
- シンセサイザーの基礎を学びたい初心者
- エレクトロ系ジャンルの方
- 「楽しいシンセサイズ」を重視する方
デモ音源
8. UAD Showtime ’64 Tube Amp

Showtime ’64は1960年代のロック・ポップをサポートした伝説的なアメリカンチューブアンプ(Fender系)をエミュレートしています。
チューブドライブ、ナチュラルなコンプレッション、キャビネットの空間感を含めて、1950~60年代的なギターサウンドを完全再現となっています。
複数ゲイン段階:Normal & Bright チャンネル選択で、クリーンから軽いドライブまで調整可能。
マイク選択:異なるマイクを選ぶことで音のキャラクターが変わります。
チューブコンプレッション:自動的な「スプリンギング」感。弦のピッキング後に温かくて甘いコンプが加わります。
このプラグインが向いている人
- ビンテージ・ポップス・ロックのギター録音
- アナログアンプの温かみを求める方
- ギター音の「空間感」を大事にする方
デモ音源
9. Pure Plate Reverb

Pure Plate Reverbは純粋なプレートリバーブの形として、特定メーカーのモデルに頼らず、Universal Audio的な「理想的なプレートリバーブ」を新規設計したものです。
ボーカル・楽器に「機械的な深さ」を与えるプレートリバーブ。プレートのメカニズムを完全エミュレートし、アナログ的なリバーブが実現。
特徴としては以下の通り。
機械的ダンピングコントロール:プレート振動の「止まり」を調整。短くすればジャズ・ポップ的な自然さ、長ければ「ホール的」な拡張感が演出されます。
Input Filter:リバーブに送る周波数を選別することが出来ます。
Bass & Trebleコントロール:リバーブの色を素早く調整できます。
このプラグインが向いている人
- プロフェッショナルなリバーブの響きが好きな方
- ボーカル中心の曲作りが多い方
デモ音源
10. Verve Analog Machines Essentials

Verve Analog Machines Essentialsは「4つのアナログテープマシン」を1つのプラグインに統合しました。各機種のユニークなサチュレーション特性を「ワンノブ」シンプル操作で切り替えられます。
4種類テープサチュレーター: Sweeten / Warm / Thicken / Vintage の4機種。各々固有の周波数特性・倍音特性が非常にユニークです。
Drive ノブオンリー: シンプル操作。複雑なパラメータに迷わないので初心者向けと言えます。
このプラグインが向いている人
- テープサチュレーションの基礎を学びたい初心者
- シンプル操作で「テープ色」を試したい方
- 複数トラックの統一感を素早く作りたい方
デモ音源
知っとくべき注意点
(Promotional)の意味
Universal Audio (UAD) の製品において、製品名の後ろに (Promotional) と付く場合、それは主に以下のようなケースで付与されたライセンスであることを意味します。
・無料配布キャンペーン: 特定期間中に無料でもらえたもの(例:HolidayセールやLoopcloud特典など)。
・ハードウェア購入特典: UADのオーディオインターフェース(ApolloシリーズやVoltなど)を購入した際に、特典として無償提供されたもの。
・バンドルの一部: 何らかのセット商品やプロモーションの一環として入手したもの。
昨日は通常版と変わらない物がほとんどですが一部の製品は若干の仕様が異なっていたり、上位版が用意されていたりします。
Teletronix LA-2A Tube Compressor
このプラグインの上位版として、「Teletronix LA-2A Leveler Collection」と言うものがあります。こちらは3種類の機種をモデリングしたパッケージとなっています。

画像をよく見てもらうと分かるのですが、メーター下にMIXノブがついています。
また左の方にHFのサイドチェーン機能もあります。
無償配布されている「LA-2A Tube Compressor」には上記2つのノブが無いことは確認しておきましょう。

UA 1176 Classic FET Compressor
こちらも同じように上位版パッケージが用意されています。

そして同じようにMIXノブとサイドチェーン機能が制限されています。

個人的には、LA−2AはMIX100%で使いますが、強めの圧縮を施すことが多い1176系ではMIXノブはあったほうがいいんじゃないかとも思うのですがいかがでしょうか…?
Verve Analog Machines Essentials
エッセンシャルの名前の通り、上位版ではテープの種類が10種類に拡張され、Drive以外に Warble(揺れ)、Tone、Tape Speed などの詳細調整が可能になります。

個人的には、上位版がある…と言う真実だけでモヤモヤしてしまう質なので自分の欲望とどう向き合うかが問われていますね。
UAD Essentials Editionも要チェック

実は今回の無償配布は、「UAD Essentials Edition」とほぼ同じような内容となっています。
こちらは前述したLAー2Aは製品版となっています。

すでに交換をしてしまったけど他のものが気になると言う方、いっそ製品版を購入してやる!と言う方はぜひチェックして見て下さい。
個人的おすすめTOP3
1.Pultec Passive EQ Collection

イチオシはやはりこれです。
SNS界隈でもこれを推している人が多いように思います。
もちろん使い勝手や性能、ネームバリューなどどれを取っても最高なのですが、個人的には「製品版」と全く同じものが配布されてることが何よりすごいと思います。
前述した、LAー2Aや1176は制限があったり1種類しか入ってなかったりしますがこちらは製品版そのままなので非常に価値が高いです。


2. UA 1176 Classic FET Compressor

なんだかんだ言ってもやはり1176でした。
使えるパートの幅が広くキャラクターがはっきり出るし出番が多い印象です。
LAー2Aは「かかってないかも?」と言うぐらい自然な圧縮が特徴ですが、僕が実践であまり使うことが無く1176の方が好みだと言うだけの話かも知れません。
3. Oxide Tape Recorder

最近になってやっと「サチュレーションってめっちゃ重要じゃね…?」と言うことに気付いた私がもっと早く出会っておきたかったと思うのがこのOxide Tape Recorderです。
非常にシンプルな作りながらテープの色や質感を付与してくれます。
ボーカル・アコギ・ドラムらへんの高域のビリビリやシャリシャリをsoothe2などでどうにかしようとしていましたが、テープサチュレーションで一撃ということを最近学びました。
質感付与も大事ですがミックスの「収まりの良さ」を作ってくれるプラグインだと思います。
番外編

結構メジャーどころが出揃ってしまったので既に持っているとか、もうお気に入りのプラグインがあるという人も多いのでは無いでしょうか?
その場合は、Verve Analog Machines Essentialsが良いと思います。
他に比べると出番少なめでエフェクティブな印象ですが、使ってみると結構面白くて青色のSweetenはエキサイターっぽく使えちゃったりします。
どちらかというと、作曲時のインスピレーションを与えてくれるプラグインといったところです。
全てはここから始まった
2年前に書いたブログを台本として、私のYouTube人生はスタートしました。
今見返すのも怖いような記事と動画ですが、当時のことは非常によく覚えているし、この無償配布から「UAD沼」にどっぷりと肩まで使ったのを覚えています。
忘れずにちゃんとGETしといて下さい。
クーポンコードは「HOLIDAYFREEBIE」です。
このブログ記事が、皆さんの音楽制作に役立つ情報を提供できることを願っています。
さらに詳しい情報や、ご意見ご感想があればぜひコメントをお待ちしています。





