Media Integration上で行われた「WAVES総選挙」が先月末に行われていて現在セールが行われています。

その結果はまぁまずまずのものでしたが「あれが入ってない!」「これも無くない?!」と私がイメージするベスト10とは大きくかけ離れているものでした。
なので今回は、本家の選挙結果を振り返りつつ、個人的なWAVESプラグインベスト10を発表していきたいと思います。
WAVESは度々まとめ買いセールをしているので、その際の参考になれば幸いです。
選挙結果の振り返り

栄えある1位には「Vocal Rider」が選ばれました。
こうしてみるとGoldバンドルから含まれているものがちょくちょくあって、長年のベストセラーと呼ばれる製品が上位に組み込まれている印象ですね。
見慣れた名前がずらっと並んでいてすぐにGUIが思い浮かぶというのもある意味でWAVESの強みなのかもしれません。
既視感のある常連ばっかり?
一番新しい製品でも「Clarity Vx」の2022年リリース。

やはり手に馴染んだ製品の方が評価が高く票を集めやすかったのでしょう。
バンドル製品のセールが頻繁に開催されていることもあり、いつの間にか手にしていたというパターンも多い気がします。
しかし、どこか見たことのある製品が並んでおり、新しい発見には至らないです。
個人的には近年のリリースも非常に代替しづらい良い製品が沢山あると思っています。
なので、ここからは個人的なWAVESベスト10をお届けしていきます。
第1位~5位
1.IDX Intelligent Dynamics
第1位は「IDX Intelligent Dynamics」です。
もうこれは私が度肝を抜かれた圧倒的不動の1位です。
昨年のブラックフライデーで無償配布されたので使っている方も多いのではないでしょうか?
私も記事を書いたり動画にもしていますのでお時間あればぜひご覧ください。
おすすめポイントとしては下記になります。
トラックにもマスターにも使える汎用性
基本ワンノブの簡単な操作性
ボヤっとした曲にフォーカスが合うというか…
自分のMIXの粗を隠せるというか…
余分な贅肉が落ちてスッキリするというか…
本当にこれは是非体験して欲しいと思うぐらい素敵なプラグインです!
先述したように過去に無償配布されており、現在は有料となっています。
それをわざわざ購入するのはなんか癪に障りますが、それでも購入する価値のある製品です。
2.CLA Epic
数年前のブラックフライデーで無償配布された「CLA EchoSphere」の有料上位版です。
この製品のおすすめポイントは下記です。
多く収録されたプリセットが優秀過ぎる
CLAシリーズとして沢山リリースされている中でこれが一番好きです。
ホール・プレートなどの数種類のリバーブを組み合わせ、さらに数種類のディレイを組み合わせるのは初心者のみならず苦手な人は多いのではないでしょうか?
しかし、それをすることによって音の厚みが出たり空間の複雑さや深みが出るのもまた真です。
それを一手に引き受けてくれるのが「CLA Epic」なのです。
ポップやロック系にはあまり使いませんが、壮大なバラードや大きな響きが必要なインスト系の曲にめちゃくちゃ合います。
自分であれこれ調整するのはやや難しい印象ですがプリセットが優秀なのでその中から選んでMIX度を上下させるだけでとてもいい感じになります。
ただし、負荷がやや高めなのでそこはご留意ください!
3.Curves Equator
第3位も近年リリースされたばかりの「Curves Equator」です。
この製品のおすすめポイントは下記3点です。
濁りを抑えてクリーンな音に
サイドチェーンを使ってマスキング回避
これも非常に惚れ込んで使っています。
動画や記事にして魅力は十分語ってきましたが、レゾナンスサプレッサー系のプラグインの中で非常に高いコスパの良さを誇ります。
Learn機能という独自機能によって、元の音源を過剰に削ることなく本来のあるべき音像にしてくれるという優れもの。
競合する4製品を比較した動画も作ったので「レゾナンスサプレッサー」に興味がある人は是非見てみてください。
4.H-Delay Hybrid Delay
ここで本家人気投票では2位になった「H-Delay Hybrid Delay」がランクインです。
調べてみると10年以上前にリリースされている製品なのですが、本家の選挙でもこれは納得でした。
過不足のない基本のディレイ
なんか不思議な魅力
「結局これだよね」となるような定番さがこの製品にはあります。
なんと表現すればいいのでしょうか…。
一応、この個人的なランキングは私が使う頻度や信頼度、評価などを基に決めているのですが本当に出動してくれる割合が高いです。
かといって、後継者を見つけようとしてもなかなか見つからないという…。
5.Curves AQ
ここで最新の「Curves AQ」が入ってきました。
トラックにもマスターにも使える汎用性
動的・静的な調整が便利で楽ちん
これだけで音作りは完結させてしまえるほどの強力なプラグインです。
私は前述した「Curves Equator」と並べて使うことが多いです。
自分の中で「音のイメージ」があろうと無かろうと手を伸ばすことが出来るのはこのプラグインの強みかも知れません。
「あ、こういうのもいいな」という発見から曲の飛躍のきっかけをつかんだりもします。
こうしてみると…
1位から5位はほとんどが近年リリースされたものばかりでした。
意図して選んだわけではなく最近の自分のチョイスや前述した評価を基に決めています。
本家の選挙結果にあるプラグインも所有しているものもあるのですが、
上位製品の魅力に気付けてない
もう自分の中で淘汰されてしまった
新製品が優秀過ぎる
みたいな理由が思いつきます。
6位以下にはそこまで新しめの製品が入ってこないので、やはり新製品が優秀であるという事実と私のバイアスが関係しているように思います。
第6位~10位
6位以下はかなり迷いました。
印象の良かったものから選んでみたのですが、5位以上の製品と比べると出動回数は結構減っているのが正直なところです。
その分、「この製品良いんだ!」という皆さんの発見につながっていくかと思いますので是非感想のコメントもお待ちしています。
6.Sibilance
Goldバンドルから付属するディエッサープラグインの「Sibilance」。
数多あるディエッサーでも長年愛用している製品です。
元のボーカルの劣化が少ない
耳に痛い部分の検知がかなり優秀な気がします。
GUIの見やすさも良いのですが、大きさが変えられないのがちょっと不自由なポイントかも知れません。
あと、別の動画で検証したら負荷がめちゃくちゃ軽かったので、環境がそこまで整ってない方にもお勧めできます。
7.CLA Bass
またもランクインしたCLAシリーズ。
やっぱ何気に良いんですよねぇ…。
このプラグインはBassの音作りがなんか決まんないなーって時に使用します。
サブベースを強化したりコーラスや歪みなどをかけたりも出来るので簡単な操作で結構広い音作りが出来ます。
また例のごとくプリセットが優秀なので、良い感じのプリセットを選んで微調整するだけで迫力のある安定したベースサウンドを作ることが出来ます。
初心者におすすめ出来る操作性の良さ
8.Vocal Rider
本家選挙では1位に輝いた「Vocal Rider」です。
代替の効かない唯一無二性
正直、最近はあまり使ってないですがそれでも唯一性の高さから選出しました。
音量を揃える「レベラー系」プラグインもたくさん出てくるようになりましたが、オートメーションを使って自分で微調整できる点が優秀だと思います。
オートメーションは初心者には難しい設定のように感じますが、制作・ミックスの過程ではほぼ必須スキルなのでこれを機に覚えてみるのも大事かなと思います。
9.MV2
本家選挙では7位になった「MV2」。
小さい音を大きく、大きい音を小さく、してくれるのでボーカルの下処理で音量調整を非常に手早くしてくれます。
以前は「Vocal Rider」と共に音量調整を担ってくれていましたが、やや出番は減りました。
しかしそれでも色あせない輝きを放ち続け、たまーにではありますがミックスの手助けをしてくれます。
基本2つのノブだけの簡単操作
10.Abbey Road TG Mastering Chain
そして最後は「Abbey Road TG Mastering Chain」です。
プリセットが豊富でどれも良い
アビーロードの温かみのある音
これも出動回数こそ少なめですが他のWAVESプラグインと比較すると断然働いてくれています。
マスターに挿したり、ドラムバスに使っています。
温かみのある音ではありますがEQやプリセット次第では高域がだいぶシャリシャリしてしまうので注意が必要です。
M/S処理が出来たりサチュレーターや音の広がりも調整できるので結構重宝します。
気になるWAVES製品
今回の個人的ベスト10の中には、良い製品でありながら私が所持して無くて中身が検証できていないものが山ほどあります。
気になってはいるのですが何らかの理由があり触れていないものばかりなので、皆さんの買い物の一助になればと思い記載します。
チャンネルストリップ系
SSLやAPI、1176系、PULTEC系など沢山のアナログ機器をモデリングした製品をWAVESはリリースしています。
これらも一部所していますが、あまりにも競合他社が多く、好みも分かれるため、あんまり使わないですし、改めて手持ちを増やそうとは思っていません。
チャンネルストリップ系はPlugin Allianceのものを私はよく使っています。
ただWAVESのやつも気にはなっています。
テープ&レコード系
こちらも非常にSNSやニュース等で見かけます。
ただ、食傷気味になる程各メーカーから出まくっているのもあるし、違いが聴き分けられる気がしないのであまり触らないようにしています。
Greg Wellsシリーズは気になってる
シグネチャーシリーズで先ほどCLAシリーズのいくつかを紹介しました。
他にもいくつかのシリーズは持っているのですがこの「Greg Wellsシリーズ」はまだ持っていません。
ワンノブで少し前の製品ではあるのですが評価が高く気になっています。
え?他のシリーズはどうなんだ?って?
まぁご察し下さい。
こういうランキングもいいじゃない

私の個人的ベスト10は上記のようになりました。
私の作る曲のジャンルや好みなど大きく影響を受けたランキングでしたが、新製品の台頭はすさまじくどれも即戦力になるものばかりです。
中でも異彩を放つ「H-Delay Hybrid Delay」の牙城を崩すプラグインは現れるのか…。
まだまだこれからもWAVESの新製品には期待していきたいと思います。
このブログ記事が、皆さんの音楽制作に役立つ情報を提供できることを願っています。
さらに詳しい情報や、ご意見ご感想があればぜひコメントをお待ちしています。