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Waves「Curves Equator」を使いこなせない?ならこれだけ分かれば十分です!公式おすすめの使い方3選とレビュー!

あばん
あばん
良い感じのプラグインなんだけど…。
もーだん
もーだん
これ使うの難しくない…?

以前の記事でレゾナンスサプレッサー系のプラグインをまとめました。

その中で気になっていたWaves「Curves Equator」を私も導入してみました。
ちょうどブラックフライデーの時期だったこともあり、同じようなタイミングで購入された方も多いのではないでしょうか?

今回も海外の動画やマニュアル、各TIPSのページを参考にしながら、私が重要だと感じた使い方のポイントやコツを述べていきます。

まずは製品概要

完璧なバランス。共鳴ゼロ。あなたのミックスをありのままに。
Curves Equator は、よりスマートな共鳴抑制プラグインです。問題のある周波数を除去し、共鳴を修正し、不一致のバランスをとることで、フルミックス、ボーカル、楽器、サンプルを即座に改善します。
さらに、コンテンツを学習し、パーソナライズされた抑制カーブで作品を保護して、過剰な処理を回避できます。衝突するソースのサイドチェーンを学習し、ミキシングしている部分に逆カーブを動的に適用することで、画期的な周波数アンマスキングを提供します。

本家サイトより引用

本当にレゾナンスサプレッサー系のプラグインが増えたなぁと思います。
その中で、Wavesらしい多機能で使いやすいプラグインです。

本家サイトでもデモ音源を聴くことが出来ますが、ややわざとらしいというかわざと濁りを残したような過剰なデモな気がしました。
しかし、このプラグインのパワーを知るためにも一度覗いてみてください。

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押さえたい使用のコツ3選

メイン画面

最初にプラグインをロードすると上記のようなGUIが表示されます。

スレッショルドカーブ
中央の黄色い線。音源のどの部分を処理するかを決めることが出来、デフォルトでは直線ですが「LEARN」ボタンを押すことで音源の特徴をキャプチャーしたり、自分でEQのようにポイントを作ることも出来る。

ゲインリダクション
画面上部の青色の波形。どの帯域がどのぐらい処理されているかを可視化している。

メインノブ
中央下部のかっこいい模様の付いたノブ。これを操作すると、スレッショルドカーブが上下して、リダクション量を設定することが出来る。

基本的に上記3つを覚えておけばOKです。

あばん
あばん
ふむふむ。なんとも簡単な操作性だね。
もーだん
もーだん
さらに極限まで設定を追い込むことだって出来るよ!

①LEARNの意義

そして、もうひとつの目玉機能が「LEARN」ボタンです。

各トラックやドラムバスやマスター段などで「LEARN」を適用すると、オーディオを分析しその固有のプロファイルを学習してくれます。
そして、特定の共鳴や問題を処理するためのカスタムされたスレッショルドカーブが作られます。

そして大事なことなのですが、「フラット」と「カスタム」ではそれぞれ得意な場面が違います。

フラット

フラットは「サウンドの周波数を直線に近づけること。すべての周波数で振幅を均等にすること。」を目指して機能します。
各パートをブラッシュアップさせるためではなく、形を整えたり、大幅な修正・処理を必要とする場合には、デフォルトのまま使用するのがおすすめのようです。

LEARNカスタムカーブ

こちらは逆に、パート毎のブラッシュアップや微調整のために使われます。このプラグインの本分的な使い方で、キャプチャーされた音をフラットに近づけるのではなく、本来のサウンドにするためのモードです。

上記の2つのパターンの使い分けがめちゃくちゃ重要なので、まず理解してみてください。

あばん
あばん
何でもかんでもLEARNすればいいって思ってた…
もーだん
もーだん
そういう簡単な話でもないんだなぁ…

②SHAPEってどう使う?

プラグインを使っていく中で、メイン画面に映っている「SHAPE」のノブが個人的に謎だったのですが、やっと理解出来ました。

全部で「FLAT」「PINK」「WARMの3種類があります。
FLATというのは文字通り水平状態の直線の状態を指します。

PINK
ピンクノイズの自然な高域のロールオフがある設定。

WARM
さらに穏やかで音楽的な中域~高域のロールオフがある設定。

上記のGIFを見て頂くと分かるようにスレッショルドカーブが変化していきます。

また、LEARN後のキャプチャーされたカーブでもトラックの特性を加味しながら変化していきます。

※音が出ます!

SHAPEでカーブが変化していく様子が分かるかと思います。

倍音が付加されるわけではない!!

ここめちゃくちゃ大事です。
「WARM」っていう文字を見たら、なんか暖かい音になって倍音も追加されたりすんのかなー?と私は思っていました。

全然そんなことはありません。
SHAPEのダイアルを回していくと高域の処理が深くなっていくだけです。

あばん
あばん
WARMって文字を見ると…。
もーだん
もーだん
そう思っちゃうよねぇ?!

③SENSITIVITYとPrecision

そして、3つ目に理解しておくべきなのは「SENSITIVITY」と「Precision」です。
まぁ波形を見たりすれば理解はできるのですが、もうちょっと深くまで知れば適用させる際の良いヒントになります。

SENSITIVITY

このノブではダイナミックコンプレッションのニーと⽐率を決定します。
つまり、値が小さいほどスレッショルドより前から処理が始まり、緩やかな圧縮が続きます。これを「ソフトニー」と言います。
逆に、値が大きいほど、スレッショルドを越えた音のみを即座に圧縮します。これを「ハードニー」と言います。

あばん
あばん
コンプレッサーでよく使われる表現だよね!
もーだん
もーだん
WAVES IDXでも話した内容だね!

厳密に言うと違うのですが、捉え方としては言葉のまま「ソフトで全体的な圧縮」か「ハードでピンポイントな圧縮」か?でいいです。
実際に、ノブを回して100に近くなる程赤枠内のリダクション量が一気に増える様子が確認できます。

使用するタイミングとしては、下記の通りです。
ソフトニー
自然で繊細なサウンド。音量差の少ない緩やかで穏やかな処理が必要な場面。
マスター段などに用いられる場合が多い。

ハードニー
音量差の激しいダイナミックなソースに使用可能。ドラムやベースやパーカッションが多い。歪みやすいので適用量は注意が必要。

Precision

Precisionは処理する深さとEQの幅を設定します。
動画を見ると、青色の処理グラフが丸みを帯びたりとげとげしくなったりする変化を確認できると思います。

数値を大きくすると、カットの幅がより狭く、より深いカットになり特定のレゾナンスに効くようになります。
逆に数値を小さくすると、カットの幅が広く浅くなります。これはつまり、レゾナンスの除去というよりも楽器の音色バランスを重視した処理とも言えます。

使用するタイミングとしては、下記の通りです。
狭く深く(数値を上げる)
クラッシュシンバルや、アコースティックギターの弦など、鋭く共鳴するソースに向いています。しかし、往々にして狭い幅でのカットは位相がずれてアーティファクトと呼ばれる歪みが発生しやすくなります。要注意です。

広く浅く(数値を下げる)
音色のバランスを重視し余計な歪みを生まないこの設定は、オールマイティに使用可能です。楽器、ボーカル、マスターバスなど使用範囲が広いです。

デフォルトの設定は、30なので無理に動かさずこのままで十分使用可能だと感じました。

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他のパラメーターは?

今回3選ということでしたが、強いて言えばSC(サイドチェイン)に関してはまた別記事で説明します。
他のトラックとのすみ分けを行う上で重要な使い方のひとつですし、このサイドチェーンをちゃんと知りたいがためにこのプラグインの研究を始めたようなもんです。

あばん
あばん
え…?えっと、他にもいっぱいあるんだけど…?
もーだん
もーだん
TILTとかcrossoverとかsmoothとか…

それらは本当にこれだけじゃ物足りない人のための発展パラメーターです。
まずは上記3点を抑えるだけで十分という結論に私は達しました。

今回ここで取り扱わない理由としては、
触っていればなんとなくの動作原理は分かる。
分かっても追い込むためのパラメーターが多すぎる。
LEARNカーブによる処理で十分だと思える。
です。

新しいパラメーターを理解する前に、LEARNで作られたカーブの設定を上記3点で追い込んでいく方だけでも十分魅力的で戦力になるプラグインだと感じました。

私自身が未熟という部分もありますが、マニュアルを読んで理解を進めていく中で達した結論なので何卒ご容赦ください。
もっと深く知りたい!という方は本家Wavesサイトにマニュアル(ユーザーガイド)がありますので是非読んでみてください。

このブログ記事が、皆さんの音楽制作に役立つ情報を提供できることを願っています。
さらに詳しい情報や、ご意見ご感想があればぜひコメントをお待ちしています。

ABOUT ME
池田 耕平
夫婦アコースティックデュオ「アバンdeモーダン」のメンバー。 作詞作曲とDTMを使った編曲やミキシングを担当。 メイン楽器はアコギとハーモニカ。 DAWはStudioOne。 ・音楽制作(BGM・ボカロ) ・夫婦ライバー ・YouTube運営(カバー・DTM解説) ・当ブログ運営
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