あばん
あばん
買って良かったと思うものもあれば…
もーだん
もーだん
合わなかった〜!ってのもあるよね。

先日公開した「今年GETして本当によかったDTMプラグイン5選」ですが非常に好評いただいています。
月並みな企画ですがやはり他の人の使ってる製品は気になりますよね。

しかし、その裏で「試してみたけどレギュラー入りしなかった名作」たちがいます。
結論として「評判=自分に合う」は、プラグイン選びの最大の誤解であることが分かりました。

前提として、今回の5つのプラグインはどれも素晴らしい名作たちです。
それらをダメ出しして「買うのはやめとけ」という内容ではなく、「私にはこういう理由で合わなかった」という経験を共有したいと思います。

各プラグインの公式サイトリンクも共有しますので気になった方は覗いてみてください。

私がそれらを手放した理由を紐解きつつ皆さんが「自分に本当に必要なプラグイン」を見つける手助けになるような内容をお届けします。

内容としては以下の3つです。
長所と評価レビュー
手放した理由
代替案

Re-esser /Wavesfactory 

Wavesfactory社が2025年にリリースした高性能ディエッサーです。
従来のディエッサーと異なり「エス音(sibilance)成分と音色(Tonal)成分を完全に分離」して処理できるのが最大の特徴です。

また、16種類の内蔵エフェクト(EQ、コンプ、リバーブ、ディレイなど)をエス音/Tonalそれぞれに適用できるため、“単なるディエッサー以上の音作り”が出来ます。

Sound on SoundのSilver Awardを受賞するという非常に評価の高いプラグインです。

長所と評価レビュー

自然で透明感のある処理が得られるとめちゃくちゃ好評です。
従来のPro-DSのようなディエッサーよりも素直で自然な音になるし、操作も簡単との評価が多かったです。

また、音作りの幅も広く対応できる場面やパートが多いとの評価もありました。

余談ですが、上記の公式動画のコメント欄で「私が失明する前にダークモードのUIを開発してください」のコメントで溢れかえっていてふふってなりました。

手放した個人的理由

シビランスだけに絞って処理が出来るというのは非常に良いなと思えるのですが、好評を博していた操作性が全く合いませんでした…。
そして、幅広い音作りのための「多くのFX」がめちゃくちゃ邪魔になって私自身の迷いを生んでいると感じました。

プリセットを見ると、MIXバスやドラム、ボーカルの音作りなどほんとに様々な準備をしてくれているのですが、個人的には「ボーカルのディエッサー」としてもっと尖ってて欲しかったなと思いました。

「なんか使いこなせてない気がする」「エフェクト追加した方が良いかな…?」みたいな、私の至らなさゆえの迷いが制作の邪魔になるという判断です。

音質や操作性を評価する声が多かっただけに、なんだか私自身恥ずかしい気持ちがしています。

代替案

個人的には「ディエッサー」という職人には「ディエッサー」だけしてもらいたい派です。

なので代替案としては「各メーカーが出しているディエッサー」が代替案になるのですが、過去に比較したもので言うと、SoftubeやWaves、王道でPro-DSなどになると思います。

ディエッサーをお探しの方は下記記事も覗いてみてください。

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MixDRUMS /Arturia

Arturia社がリリースしたドラム専用プロセッサーです。
エンジニアのEmre Ramazanogluと共同開発され、単一のインターフェースで複雑なドラム処理を完結させることが出来ます。

多機能オールインワンプラグインで、
「キックの低域を太くしてスネアに抜けを与える」
「歪みでミッドを太くする」
「リバーブ/ディレイで空間感を加える」
「アナログ感のあるノイズを重ねる」

など、ほぼすべてのドラムミックス機能を備えています。

具体的には2バンドの独立処理(LOW/MID-HIGH)を持ち、各バンドでトランジェントシェーパー、ディストーション(5種)、マルチバンドEQなどが用意されています。

長所と評価レビュー

非常にパワフルかつ直感的なのが国内外での評価ポイントです。

UIも1画面で全機能が収まっていてかなり見やすく、初心者でもプリセットを選ぶだけですぐ音が良くなる設計となっています。

サウンド面では、歪ませすぎずドラム全体にまとまりと厚みを与えるのが得意で、「入力と同じ音量なのに圧倒的に大きく聞こえる」など不思議な効果が得られます。

また、キックだけでなくスネアやシンバルなど個別にフォーカスできるため、ドラムバスに適用しても各パートを分かりやすく調整できます。

手放した個人的理由

非常に分かりやすく洗練されているが故に、もう少し音を作り込みたいという時に少しだけ不満を感じました。

また、「パワフルに音を太くしてくれる」という長所の反面、ミックス後半で使用すると曲のバランスがぶっ壊れます(体験談)。
なので使用するのであれば、出来るだけ早い段階から使用して、音作りとドラムフレーズ作りを並行していく方が良いと思います。

また、RC-20 Retro Colorやコンプ+サチュレーションで音作りを普段はしているのでそれに取って変われるほどのインパクトが無かったと言う感じもします。

また、プリセットは多いのですが、汎用性が高いというよりはやや個性的なものが多くある印象でしたので、結局は自分である程度音作りを進めていく必要があると感じました。

代替案

WavesのCLA DrumsPLUGINS THAT KNOCK系統などの「ドラム音作りプラグイン」は競合も多く、DAW付属のプラグインや複数の組み合わせで何とかなることもあります。
EQ+Saturation+Transient Shaper辺りで何とかなるので改めて「買い」かと言われると…。

しかし、トランジェントシェイピング、歪み、空間エフェクトなどを統合したものと考えると…そんなに数は多くないような気がしてきたので、私自身の能力向上を図る方が早い気がしてきました…。

あばん
あばん
おいおい、地獄の結論出てるよ
もーだん
もーだん
まぁツールのせいには出来ないよね…。

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Bloom MuraMasa /Excite Audio

Excite Audio社がリリースしたソフト音源プラグインです。
グラミー受賞プロデューサーMura Masa氏とのコラボで制作され、この人のサウンドをベースにしています。ドラム、ベース、シンセ、ループなど250プリセットを収録し、クラブミュージックやエレクトロニック系に特化したライブラリーとなっています。

主にサンプラー/シーケンサー的な使い方をするインストゥルメントで、14個の白鍵にワンショット音源を割り当て、黒鍵にシーケンスやエフェクトが割り当てられていて任意のループをテンポ同期で再生できます。

長所と評価レビュー

クリエイティブなアイデア出しや、Mura Masaらしい独特のサウンドメイキングが手軽にできる点が最大の魅力です。
音の素材も非常にレベルが高く、鍵盤で遊んでいるだけで曲が出来上がるというUJAM的なスピード感も好評でした。

「ざらついたベース」「歪んだパーカッション」「陶酔的なシンセ」などのサウンドが詰まっており、その上で4つのマクロ(Terminal, Peek, Angle, Sides)でクリエイティブにおと作りをすることが出来ます。

手放した個人的理由

非常に面白くて私が自分で作れないようなループを組むことが出来ます。
ただ、こういうのは往々にして「使い所」「楽曲マッチング」がハードルになるパターンが多いです。

Bloom KSMHRもパーカッション系であれば自分の曲にまだ馴染ませることができるとも思うのですが、これは良い意味で結構個性が強めでした。
ジャンル的にポップやアコースティック、ロックなどの私の作るジャンルとは合わない感じでした。

そもそもミックス系のエフェクトではなく音源なのでレギュラー化するしないの話では無かったかも知れません…。

代替案

サンプルや組まれているシーケンス自体の品質はめちゃくちゃ良いのですが、XLNAudioのXOやリズムやループ素材だけ欲しい場合はLoopcloudやSpliceといったサンプルサービスが代替として選択肢に上がってくるでしょう。

「これにしか出せない味があるけど、他の食材との組み合わせが難しい」という感じです。

まぁ、これも使い手次第、応用力や構築力の話のような気もしますが…。

あばん
あばん
このまま結論を出していくと…
もーだん
もーだん
最後には大変なことになるぞ

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UltraVox 2 /Leapwing

Leapwing Audio社がリリースしたボーカル用オールインワン・プロセッサーの最新版です。日本ではUltraVox 2としてアップデートは無料提供されました。

一画面で扱えるプロセッサーに「コンプレッション」「ゲート」「ハーモニクス生成」「Air(ハイシェルフEQ)」「De-esser」「リバーブ」の6モジュールを内蔵しています。
これらは連動動作するよう調整されており、専門知識なしでボーカルの音量調整と音色補正ができる設計となっています。

長所と評価レビュー

歌声処理に特化した「おまかせ型」チャンネルストリップで、新しいリバーブエンジン(Hall/Plate/Chamber ブレンド)、周波数-時間解析による新ディエッサーが好評です。

「ワンノブ・ワンクリック」で済む簡潔さが最大の長所で、Mix時の圧倒的な時間短縮につながります。触れるポイントも前述の6個しかないので迷いが減るのも利点です。

また、海外の評価も上々で、「デザインがよく考えられていて、誰でもすぐに使いたくなる」と称賛されています。

改めて使ってみましたが、確かにディエッサーの効きは結構良く素早くボーカルを形成することが出来ます。

手放した個人的理由

細かい調整が出来ないのが個人的には合いませんでした…。
コンプレッサーの各種調整もそうですし、リバーブセクションはもはや手持ちのものでやる方が圧倒的にイメージに近づきやすくなります。

そして何より、Pulser Vocal Studioという超新星に私が出会ってしまったからというのはあるでしょう。

度々、話題に出してきましたが、こちらの方が操作性・機能性・柔軟性が優れていると思います。
この製品に関しては、あまりに相手とタイミングが悪かったと言う他無いんじゃないかなと感じます。

代替案

このボーカルストリップ系プラグインは競合も非常に多く強いです。
有名どころで言うと、iZotope Nectar4UAD Topline Vocal SuiteWaves CLA Vocalsなどが挙げられます。

またEQ+コンプ+ディエッサー…などで自分のボーカルチェインを組む場合、価格的に安くなったり柔軟性が大きく向上する場合があります。
すでに多くの人が持ってるボーカルチェインに取って変われるほどではないというのがこの製品の印象でしょうか。

ただ、コンプやディエッサーの質は良かったのでそれらだけを使って下ごしらえ要員として起用するのはアリかも知れません。

あばん
あばん
やっぱボーカルミックス系となると…
もーだん
もーだん
ちゃんと良い意見が言えてるね!

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SSL 4K B /SSL

SSL社のSSL Nativeシリーズに加わったチャンネルストリップ・プラグインです。
伝説のSSL 4000 Bコンソールの1チャンネル回路(Jensenトランス・マイクプリアンプ+ダイナミクス等)をモデリングしています。

長所と評価レビュー

クラシックなSSLサウンドをプラグインで得ることが出来、入力信号に豊かな倍音と“粘り”が加わります。

「古い4000系より粘りのあるグルーブ感」
「ドラムやボーカルに適用すると一気にミックスが締まる」
「よく出来たチャンネルストリップ」
と軒並み高評価を得ています。

ロックやメタル、Lo–Fi系のヒップホップなど、ダークさ・暖かさ・パンチが欲しいジャンルにはバッチリハマる印象です。

手放した個人的理由

もう本当に恥ずかしいのですが、他の製品と何が違うかあんまりよく分かりませんでした。

SSL本家が出してるんだからさぞ…!!と思ったものの私の耳では他製品との差別化ができませんでした。
忸怩たる想いとはまさにこのことです。

もちろん、良いのは分かりますし、変化も分かるんですけど、差別化が出来ない以上これに固執する理由はないよなー…とフェードアウトした次第です。

他の4K EやGを使っての比較検証が出来れば自分の中で落とし込めるのでしょうが…。

また、CPU負荷も全然高くないのですが、たま〜〜に重くなったりするのが「私の環境に合ってないのかも?」と感じ敬遠しています。

あばん
あばん
違いを聞き取るって難しいよね…
もーだん
もーだん
また他の製品とってなると余計にね…

代替案

本家SSLに対しての代替案はあまりに失礼な気がするのですが、同じモデリングエミュの強豪といえば、UADやPA、Acusticaなど多くのメーカーが挙げられます。

私は手癖でPAのものをよく使っています。
また、SSL社のNative Channel Strip 2も評価が高く十分代替案として成立するでしょう。


たまに大安売りセールを行なっているので気になる方はぜひ細かくチェックしてみて下さい。

理由から見えてきた共通点

5つのプラグインを紹介してみて私自身が思ったのは、

「僕が使いこなせてないだけなんだよな…」でした。

合う合わないと言う文脈で語ることも出来ますが、そのプラグインの特性を掴みきれてなかったり学習コストを割ききれずに早期に見切ってしまっていたりと言う感じがします。

あばん
あばん
全部合うっていうのは無いもんね…
もーだん
もーだん
習得するっていうのも大変なんだよね…

今回紹介したプラグインたちは、どれも「ダメだった」わけではありません。
むしろ単体で見れば優秀で、正しい場面では確実に力を発揮するものばかりです。
それでも私の制作現場では、レギュラーには残らなかった。それだけの話です。

ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。
レギュラー入りしなかった=失敗ではない、ということです。

・100%ハマるプラグインを最初から見抜くことは不可能
・レビュー・評判・ランキングは「他人の環境」の話
・自分の曲・自分の声・自分のワークフローで試して初めて答えが出る

これらの当たり前の中で、「試す→失敗→学ぶ」というサイクルが私たちの成長に不可欠だとも感じました。

より良い制作環境のために私自身の素直な感想やレビューが参考になれば幸いです。

「動画」

このブログ記事が、皆さんの音楽制作に役立つ情報を提供できることを願っています。
さらに詳しい情報や、ご意見ご感想があればぜひコメントをお待ちしています。

ABOUT ME
池田 耕平
夫婦アコースティックデュオ「アバンdeモーダン」のメンバー。 作詞作曲とDTMを使った編曲やミキシングを担当。 メイン楽器はアコギとハーモニカ。 DAWはStudioOne。 ・音楽制作(BGM・ボカロ) ・夫婦ライバー ・YouTube運営(カバー・DTM解説) ・当ブログ運営