最近オケ制作依頼をよく頂いており、その中でファンタジー系の曲を書きました。
その際使用したバウロンという打楽器の音源がとても優良だったのでご紹介します。
内容としては、
購入に至った経緯
使用感や実際の音
となります。
是非バウロン音源をお探しの方や、これからアイリッシュやケルト音楽を制作するぞという方のお役に立てば幸いです。
バウロンとは?
バウロン (bodhrán) はアイルランド音楽に用いられるアイルランドのフレームドラムである。大きさは直径25cm から65cmまで様々なものがあり、一般的なものは35cmから45cmのものである。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アイリッシュやケルト音楽の時によく使用されるリズム楽器です。
ドラムキットのようにパーツが沢山あるわけではないのでシンプルな音色ですが奏法によって音の高低なども出るので案外奥深く、使用すると一気に雰囲気の出る楽器です。
購入に至った経緯
もともと「ETHNO WORLD 6 INSTRUMENTS」という民族楽器が沢山収録された音源は持っていました。
この音源自体は沢山の楽器やフレーズが収録されており、痒い所に手が届くし楽曲の雰囲気を一気に変えることのできる力を持った音源であることは間違いないです。
しかし、ケルト系の音楽を作る際に使える音がちょっと不足している感じがあり、バウロンは収録されておりませんでした。
まぁほかの民族打楽器を加工すればいけないこともないかなとも思ったのですが、依頼されているものだし何より雰囲気が出ないと思い音源を調べ漁りたどり着いたのが今回の「Modest bodhrán 2」でした。
他にもバウロン音源はあったのですが値段と音質と日本発に惹かれて購入に至りました。
Modest bodhrán 2について
「Modest bodhrán」は、KONTAKT専用ライブラリです。音の強弱や細かい装飾音に適応できるように単音で鍵盤に、音を振り分け、装飾音(ロール)も収録しております。 録音状態はドライな音で収録。EQによって好みの音へ調整可能。また、ラウンドロビン、ベロシティによりピッチ感が得られるサウンドでベタ打ち感を軽減させたバウロン音源となっております。
本家ページより引用
音域によって色分けされており、赤(低域)青(中域)黄(高域)となっています。
F1~A1の1つずつのみある鍵盤はロールとなります。
音域や雰囲気は下記動画よりご覧ください。
またデフォルトの段階でリバーブとEQが使用されているので好みに合わせて適宜調整が必要です。
個人的にはEQはそのままでもいいですがリバーブは別途お気に入りのを挿して空間を調整するのがおすすめです。
またこちらは「KONTAKT PLAYER」では使えないとのことです。
一応手持ちを確認してください。
収録内容とラウンドロビン
■ 鍵盤 C2-D#4 ベロシティ1から115の割り当ては、ロー(低域)からミッドハイ(中・高域)の音が鳴ります。
本家サイトより引用
■ 鍵盤 C2-D#4 ベロシティ116から127までは、ピッチ感のあるヒット音が鳴ります。
■ 鍵盤 E4-B4は、ハイ(高域)のヒット音になります。鍵盤 G#4 A4は装飾音。
■ 鍵盤 C5-D5 は、ビーターのヒット音。
■ 鍵盤 C2-D#4 まで、1鍵盤対して、21ラウンドロビンが発動します。
前述した通り多くの音が収録されています。
低域のボヨンと弾む音や鈍いボスッとした音まで録るの大変だっただろうな…と心配してしまうほどです。
中でも、驚きなのが1鍵盤に21のラウンドロビンを収録していることです。
ラウンドロビンとは「同じ鍵盤の音に何種類かの違うサンプルを入れて発音させる」みたいなことです。
上記の動画を見てもらうと分かると思いますが、同じピッチ・ベロシティで連続して打ち込みましたがそれぞれが微妙に音が異なっています。
これをすることで、連打をしても不自然にならず人間っぽいニュアンスの演奏になります。
どんな作業量なんだ?と想像すると頭が痛くなってきそうです。
ベロシティごとの音色の変化はありますが音量の変化というのは割と微差でそこをラウンドロビンで補っているような感じもします。
他の機能について
アルペジエーターが搭載されております。
ModeでON・OFFが切り替えられるほかHoldで鍵盤を押すと鳴らしっぱなしに、Hold+ーで一度押すと鳴らしっぱなしで再度押すと音が止まるようになります。
ピッチやリズムの変更も可能ですが個人的には出番は少なそうです。
アーティキュレーションでは、奏法が選択できます。
個人的な打ち込みの中で使うのであれば、
オルタネイトストローク。やや軽快な音になってテンポの速い曲や連打が多い場合に使用。
Humanize
ベロシティやボリュームやタイミングなどを微妙にずらすことが出来るため人間っぽさが再現しやすい。過度にやり過ぎるとめちゃくちゃ演奏がよれるので注意。
のどっちか、もしくはOffになります。
デモ音源
これを探してたんだよおおおお!!と大きな声を出したくなるような独特な存在感です。
テンポも速くなくゆったりした曲なのでベロシティはかなり低めで打ち込みをしました。
まとめ
バウロン音源探しからこんなに優良な音源が見つかるとは思いませんでした。
また前述したとおり、有料版KONTAKTでのみ動作するので気を付けましょう。
音源を探す中でNI社の「Spotlight Collection: Ireland」がどうしても目につきました。
バウロンやティンホイッスルなどアイリッシュ音楽に必要なものが一通り入っており悩ましすぎましたが、komplete15が今年出るにかけているのでぐっとこらえた次第です。
komplete15についての記事も書いたので良かったら是非ご覧ください。
他にも無料音源なども配布されているので、一度ご覧ください。