やばすぎるFXが爆誕しました。
これは本当にすごい。
今までにモジュール系のマルチFXなどたくさん紹介してきましたが、正直それらよりも遥か高みにいます。

諸々は後述していきますが、これは「87種類の膨大なFX」「高音質」「CPU負荷の軽さ」と三拍子揃いすぎているプラグインです。
内容としては以下の3つです。
最強の3拍子について
高音質をデモ体験
価格とエディション
エフェクトプラグインを探している方、何個もプラグインを立ち上げたくない方、CPUパワーがそこまで大きくない方、とにかく音楽を作ってる人、いろんな方に刺さる内容になりますのでぜひ最後までご覧ください。
製品情報
サウンドデザインは、あなたの音楽を他と差別化することができます。リスナーにインスピレーションを与え、一音一音に釘付けにすることができます。
一方、質の低いサウンドデザインは、全く逆の効果をもたらす可能性があります。
しかし、サウンドデザインが現代の音楽制作プロセスにおいて非常に重要な部分であるにもかかわらず、私たちは、あらゆるジャンルのプロデューサーが直面しているいくつかの大きな課題を認識しました。
これほど野心的なツールがこれまで開発されなかった理由はいくつかあります。最も明白な理由は、最高品質のオーディオDSPアルゴリズムを何十種類も指先で操作できるようにすれば、CPUはほぼ確実に過負荷になってしまうということです。そこで私たちは、高度なオーディオDSPアルゴリズムを裏で管理するための全く新しいテクノロジー、Fluid DSPの開発に着手しました。
つまり、Blockchainは瞬時に反応し、超軽量でありながら、史上最強のマルチFXエコシステムを実現しているということです。本家サイトより引用
デモ動画を見てめちゃくちゃ高音質だと感じたのが私の第一印象でした。
本家サイトでもFXの聴き比べが出来ますが、かなりときめきます。
MIX具合を調整できたり、プリセットも使いやすいものが多い印象です。
最強の3拍子について
87種類のFX
ここが本記事の大トロ、一番美味しい部分です。

見た目から非常に豪勢でときめいてしまいます。
そして各モジュールがどれも非常にわかりやすい!
見た目から、これを触ったらこうなるな、という予測がそのまま操作へと繋がっていきます。
分かり易さのために簡素化されていて作り込める部分が少ないかというとそうでもないし、複雑すぎたり謎のパラメーターがあったりするわけでもないという塩梅。
公式サイトによると、パラメータ名もできるだけ分かりやすいように専門用語をあまり使用せずに名付けられているみたいです。
ざっくりとしたFXの分類をお伝えすると、
グラニュラーエフェクト(Granular FX)
グラニュラーシンセシスは、オーディオサンプルを細かく分割し(「グレイン」と呼ばれる)、それらを新しい順序で再構成するテクニックです。Blockchain Ultraのグラニュラーエンジンは、このテクニックを高度な実装で提供します。

クリエイティブLofi FX
Lofi(低解像度、ビンテージ感、ノイズを含む音質)は、ここ数年のヒップホップ、Lo-fi Hip-Hopなどのジャンルで重宝されています。
テープシミュレーション:ビンテージテープレコーダーの温かみと飽和を再現
ビニール効果:レコードプレイヤーのノイズやポップを追加
リサンプリング機能:高品質なオーディオを意図的に低ビット化・ダウンサンプリング
これらの効果を組み合わせることで、プロフェッショナルな制作でも使用できるLofi美学が実現します。例えば、モダンシンセパッドをビニール効果 + テープシミュレーションに通すだけで、1970年代のアナログシンセで作られたかのような温かさと風味が加わります。

ドラム処理ツール(Drum Processing)
ドラムは現代の音楽制作において、ミックスの基礎を形成する重要な要素です。Blockchain Ultraのドラム処理ツールは、プロのマスタリングエンジニアが使用する手法を簡潔にまとめています。
マルチバンドクリッピング(Multi-Clip)
トランジェント・シェイパー(Transient Shaper)
リミッター(Track Limiter)

リバーブ・ディレイ・スペースFX
Blockchain Ultraのスペースエフェクトは、Nuro Audioが別製品のSupernovaリバーブプラグインで開発した技術を活用しています。最先端のリバーブアルゴリズムを搭載しており、Blockchain Ultra内のリバーブモジュールもこの品質を継承しています。

ダイナミック・エキサイター&サチュレーター
エキサイター(Exciter)とサチュレーター(Saturator)は、ヴォーカルやシンセを「生き生き」させるための不可欠なツールです。

クリッパー・フィルター・モジュレーター
ナチュラル・ステレオウィデナー:ステレオ幅を拡張
クリエイティブ・ステレオイメージング:ステレオ内での音の配置を微調整
マルチバンド・ツール群:周波数別に異なるエフェクトを適用
モジュレーター:LFOベースの時間変化エフェクト
コンプレッサー:ダイナミクスを制御(一般的なダイナミクス処理)
トーン・シェイパー:EQライクな周波数調整

ざっくりとした説明でもこのボリューム感。
前述したように、各モジュールの可視性が非常に高いため初心者の方でも触りながらで十分理解できると思います。
ルーティングの自由度

また非常に面白い点として、直列と並列にエフェクトを配置することができます。
並列(パラレル)の場合、横2列✖️4個か、縦4列✖️2個のどちらかを設定できます。
これにより、コンプや歪みで音の核を作る列と、リバーブやディレイの空間系で音の広がりを作る列を別々に作ってあとで組み合わせることなどが可能です。
CPU負荷の軽さ

「高音質」で「大量のFX」となると気になるのはCPUの負荷ですよね。
実際良いプラグインだけど重すぎて全く使えないなんて事になったら話になりません。
私の環境で恐縮ですが、CPU使用率は5%ほどです。
8個全てモジュールを立ち上げてこれなのでかなり見た目より快適に動いてくれています。
他のリバーブや音源の方がよほど高い数値となっています。
これはFluid DSP Technologyと呼ばれる新型オーディオDSPアルゴリズムによるもので、Nuro Audioが独自に開発した技術で下記の革新的な特性を備えています。
・ゼロレイテンシー処理
・CPU効率性
・シームレスなローディング
DSPアルゴリズム由来の高音質
メーカー公式によると、「高音質なものを作ろうと思うと大きなCPU処理が必要になる。その負荷を恐れ他のメーカーが手を出してこなかった所を我々は克服した」とあります。
つまり、前述したCPUの負荷の軽さというのは、ユーザーの使用感の向上と音質向上の2つの側面があったというわけです。
それで独自技術を開発してしまうのだから本当に恐れ入りました。
ということで、ここは論より証拠。
次項にて高音質をぜひ聴いてみて下さい。
高音質のデモ体験
公式からのデモ動画でも十分に伝わるかと思いますが、私の方でも色々触ってみました。
このプラグインの別の強みとして「プリセットが300以上収録」されているという点です。

それぞれFXの効果別だったり、ジャンル別やパート別に分類されているので初心者の方でも目的の音を見つけやすい親切設計となっています。
今回は各パートでプリセットを切り替えながら探訪していきます。
エレピ
アコギ
ドラム
ボーカル
マスターにも使えちゃう凄さ
プリセットの中には、ミックスバス用やマスター用の名前を冠しているものがあります。
使ってみて思ったのが、単体モジュールでも十分高音質なので、少しパンチを加えたいとか左右の広がりを出したい時などにちょい使いにも十分対応可能ということでした。
価格とエディション
このBlockchainには「Blockchain Ultra」と「Blockchain」の2つのバージョンがあります。
価格も違えば搭載モジュール数も変わってくるので一度比較をしてみました。
| 特徴 | Blockchain(スタンダード版) | Blockchain Ultra |
|---|---|---|
| モジュール数 | 32個 | 87個 |
| プリセット数 | 150以上 | 300以上 |
| グラニュラーエンジン | ○ | ◎◎(高度) |
| パラレル処理 | ○(最大2チェーン) | ◎◎(最大4チェーン) |
| グローバルミックス機能 | ○ | ○ |
| ドラッグ&ドロップ操作 | ○ | ○ |
| マルチバンドFX | ◎(基本) | ◎◎(Tape Slammer 等) |
| 専門モジュール | △(限定) | ◎◎(豊富) |
| CPU効率(Fluid DSP) | ○ | ○ |
| ゼロレイテンシー | ○ | ○ |
| VST3/AU/AAX | ○ | ○ |
| ライフタイムライセンス | ○ | ○ |
| 無料アップデート | ○ | ○ |
| 価格(導入期間限定) | $99.99 | $199.99 |
| 通常価格 | $149.99 | $259.99 |
基本的な性能は変わりませんがこのプラグインの肝であるモジュール数が半分以下になります。
両方ともライフタイムライセンス、つまり生涯アップデート無料なのも嬉しいところです。
拡張パックは別途購入する必要がありますが、この本体は半永久的にアップデートの恩恵を受け続けられるというのは非常に心強いです。
どっちを買えば良いのか?
個人的には圧倒的に「Blockchain Ultra」一択です。
無印にしても決して安くない金額なので、ここまで買うなら絶対に上位版を買うべきでしょう。
さらに公式も下記のように言及しています。
将来的には、Blockchainブースターパックが利用可能になり、Blockchainエコシステムにさらに多くの新しいモジュールとプリセットを追加できるようになります。すべてのブースターパックは、Blockchainのどちらのバージョンでも動作します。
つまり新しいモジュールやプリセットの拡張パックが今後発売されるということです。
その際に、プリセットに使われてるモジュールが搭載されてないということがあると悔やんでも悔やみきれないような気がします。
将来の拡張性に期待する意味でもUltraが良いのではと思います。
では逆にどのような人が無印版を買うべきなのか。
考えてみると下記のような人かも知れません。
この辺りかなーと思いましたが、それなら一旦これは見送って別の部分を補強したほうがいいような気もします。
ありがとう、出会えて良かった
2025年下半期で1、2を争うほどに心躍るプラグインに出会いました。
こうして紹介の記事を書けていることを本当に嬉しく思います。

この記事は提供を受けているわけでもなくただ私の「伝えたい!」が凝縮されているだけの記事です。本当にいいプラグインなのです。
(Nuro Audioがあまりメジャーでないのはアフィリエイター経由の紹介記事が少ないからだろうなと邪推します。)
話が横道に逸れましたが、このプラグインは今までのFXチェーンを刷新するほどのパワーを持った強力なマルチFXです。
さらにこれからの拡張性も期待できるという点で今のうちに唾を付けておく事をおすすめします。
公式ページでは体験版を入手できます。
数秒の無音が挿入されるタイプのデモですが十分に性能を理解できると思います。
ぜひ公式ページにて色々ご確認してみてください。
私は今から妻を説得しに行ってきます。
このブログ記事が、皆さんの音楽制作に役立つ情報を提供できることを願っています。
さらに詳しい情報や、ご意見ご感想があればぜひコメントをお待ちしています。







