プラグイン各メーカーが時折行う無償配布キャンペーン。
その魅惑的な響きにつられて入手してきた私ですが、この度垂涎ものの素敵なサイトを見つけてしまいました。
今回は、そのサイトと実際の音源のデモを紹介しつつ、私の所感も書いていきます。
KONTAKT等のサンプラープラグインが必要になりますが、新しい音源をお探しの方やインスピレーション再燃のために有益な記事になるかと思います。
Pianobookとは…?

世界中の音楽愛好家たちが数多くのサンプルパックを提供してくれているサイトです。
楽器や録音環境に拘りサウンドデザインをされている音源が多い印象です。
一般の方がサウンドデザイナーとして無償で提供しているものもあるし、プロの方が提供していたり僅かではありますが、有料のものもあったりします。
日本だとBoothでも自分で作った音源を配布している方がいますが、それの巨大プラットフォーム版といったところでしょうか。
どんな楽器があるのか?

一番多いのは「ピアノ音源」です。
他にも、ストリングス・クワイヤ・木管楽器・ギターなどなど多くの種類があり生楽器中心のラインナップとなっております。
黄色の下線を引いているものはサンプラーの種類です。
サンプラーとは?
有名なもので言うと「KONTAKT」ですね。
これは例えるなら、「ゲーム機」の種類みたいなものです。
Switch用のゲームソフトはPS5では動かせないように、自分が持っているゲーム機(サンプラー)を把握して、それ専用のソフト(音源)を入手することが大事です。
私は、KONTAKTを所有しているのでそれ前提で今回はお話をしていきますが、KONTAKTは無料verと有料verがあり、ソフトによっては有料verでないと起動しなかったりするので、無償の場合は下記無料サンプラーを検討してもよいかもしれません。
Decent Sampler
SFZ
EXS24
コチラはLogicProに同梱されている、Mac用のサンプラーです。
Logicをお使いの方はここのタブで検索されると良いでしょう。
実際のデモ音源
今回はピアノ音源を紹介していきたいと思います。

1.Winter Piano


Winterの名の通りシネマティックな雰囲気がありつつ、優しい音色のピアノです。
GUIはデフォルトのままでシンプルです。
扱えるパラメーターが少ないので、素のままの音を楽しむことが出来ます。
低域はややボヤ付きがありますが中域~高域の儚さが秀逸です。
2.Claustrophobic Piano


説明文を読んでみると、「約 14 年前に LABS Soft Piano を録音して以来…」の文面が。
その音源を録った人の作品なのか…?と疑いましたが、この人のYouTubeを見てみると、話している内容がまさにその人本人でした。
音を聴いてみると、クオリティから何からまじで納得です。
優しさと儚さの共存する素敵なフェルトピアノです。
また、マイクが3種類から選ぶことが出来て、MIX具合を変えることが出来ます。
個人的にはKU100がバランスが良く音像が大きくて好みでした。
ちなみに、RTとPEDALSはそれぞれのノイズの音量で、NOTESとVは音量やベロシティを調整することが出来ます。
3.Summer Piano

コチラも上記音源と同じ製作者です。
やや明るさのあるアップライトピアノです。
これが無料で使えるなんて何と良い時代に生まれたのだろうと感じます。
4.Church Steinway – Special Edition


Steinwayのピアノを録音しており、前述したピアノ音源とはまた違うメリハリの効いた明るい音像となっています。
GUIはご覧の通りで、エフェクトが準備されています。
使ってみた感じtimbralshiftは使えそうな感じでした。
リバーブやトレモロ、ディストーション等はお持ちの自前プラグインで設定した方が柔軟な設定が出来そうです。
Timbral Shift
サンプルのピッチを半音間隔でデチューンし、同時に MIDI 入力を同じ量だけ逆にトランスポーズします。これにより、音色が興味深い方法で変化する効果があります。
使ってみるとLo-Fiっぽさが出たり、音色が大きく変わります。
飛び道具になりそうな気もしますが、触っているとインスピレーションの湧きそうな素敵な音色です。
また中央の矢印は、
右矢印
サンプルは通常通り (順方向) 再生されます。
左矢印
サンプルは逆方向に再生され、終了ポイントが調整されるため、開始が早くなります。
双方向矢印
サンプルは順方向と逆方向の両方で再生されます。
5.Gentle Grand


非常に正統派!!
落ち着いた印象の音源です。
中央のASRのノブは「PADノブ」に対応しています。
ATTACKとRELEASEを短めにして、PIANOノブを最小にするとエレピっぽいふわふわした音色になります。
しかし、この音源はピアノ自体の音で十分高品質なのでそれを楽しむのが良いように思います。
6.Woodland Piano


デモ音源は読み込んだデフォルト設定のままですが、この音源は色んな音色をミックスすることが出来ます。
マルチレイヤーでマイクも選択しながら音作りが出来るので、これもかなりおすすめです。
ミックス具合のパラメーターもオートメーションで描くことが出来るので、徐々に音を変化させたりすることも可能です。
レビューの数も多く、インスピレーションを刺激しまくってくれる素敵な音源です。
是非上記の動画を見てみてください。
温かみのあるピアノたち
色んなディベロッパーやメーカーたちがピアノ音源の無償配布を行っているのをよく見ます。
実際に会社の商品として、立派なスタジオで高品質な機器を使用し、製品を作って無償、もしくは有料でリリースしてくれています。
もちろんそれらも素晴らしくて私も日々使用しています。
しかし、前述したような製品たちは、自宅などのピアノと、あるだけの手持ちの機器で少しでもよく録音しようとした、ハンドメイドの音源達なのです。
それは、メジャーシーンで最高峰のプロたちに囲まれて作られる音楽たちの一方で、いつか陽の目を浴びることを夢見て日夜研鑽を重ねて曲をリリースする私のような音楽家と対比されるような気がします。
実際の配布ページに飛ぶと、製作者たちがどのような物語を経てこれを作ったのか。
制作風景や自分でレビューをしている動画を上げている人もいます。
その中で少しでも人となりやこれに掛けた情熱を知れば知る程、なんかいい音な気がしてきます。
大手メーカーがリリースする数万円のピアノ音源も素敵ですが、これらの音源からしか得られない感情が確かにありました。
各サンプラーを入手しないと使えませんが、ぜひ良かったらチャレンジしてみてください。
試行の末にたどり着いた大手には出せない温かみのある音源達が沢山あります。
このブログ記事が、皆さんの音楽制作に役立つ情報を提供できることを願っています。
さらに詳しい情報や、ご意見ご感想があればぜひコメントをお待ちしています。