先日、下記のYouTube動画を公開しました。
私がDTM初心者の時に作った曲を聞き返してみた動画で、5年前の黒歴史が時を超えて発露した貴重なものです。
赤面しながらあれやこれやと笑っていますので良かったらご覧ください。
この中で、「初心者っぽいなぁ~」という陥りがちな罠がいくつかあったのでこの記事で改めて掘り下げていこうと思います。
1小節目から作り始める
これはDAW画面の端から作り始めるという意味です。
決して悪いことではないのですが、個人的には下記のデメリットがあると思います。
歌いだしの録音がやりにくい
プリカウントを設定する方法もありますが、歌いだしのブレスやタイミングの調節などがめちゃくちゃ不便です。
歌いだしや演奏の直前にリアルな情報が詰まっていることが多々あります。
数小節でも余裕があるだけで録音のしやすさが格段に変わります。
曲頭に音が追加出来ない
曲がある程度完成した時に、イントロを少し長くしたい時やFXの挿入時に他のノートを全部移動させないといけなくなります。
移動ぐらいやったらいいんじゃない…?と思うかもしれませんがそのひと手間でインスピレーションが削がれたことがしばしばあります。
曲の長さ調節が不便
曲が完成して書きだす際に、0.何秒の空白を曲頭に入れられなくなります。
書き出す範囲指定もDAWで出来るので余裕をもって空けておいても特にデメリットはありません。
楽器の特性を知らない
動画の中でフルートを使った曲を紹介した時に発覚したミスです。
フルートの音域に合ってないメロディを奏でていたためリアル感に欠ける「初心者っぽい」曲の印象を与えてしまっています。
また、息継ぎのタイミングが無く実際に演奏不可能なメロディになっていました。
人間には演奏不可能な超絶技巧の音楽を作れるのがDTMの良さであることは間違いないです。
その歪みが人の耳や心を惹きつける可能性も0ではありません。
楽器・周波数的な相性
上記のフルートがメインメロディを奏でている後ろで鳴っていたのが「ロックオルガン」。
バンドと一緒に演奏されることが多い楽器で音圧が強くフルートと音がぶつかっておりメロディが聞き取りづらい状況でした。
繊細さや柔らかみのあるフルートとはあまり馴染まないなと感じました。
上記のような場合に今の私が取る改善策は以下の通りです。
楽器を変える
繊細かつアンプラグドな雰囲気の方が合いそうなので「グランドピアノ」や「アップライトピアノ」に変更します。
アンプラグドとは…?
直訳は「プラグを抜いた」という意味であり、電子・電気楽器が一般化した今日、ピアノ、コントラバス、ドラムセットなどといった電子装置を使用しない楽器を使った演奏スタイルの総称。電力を使わないのは楽器、演奏に関わる部分であるため、コンサートの規模が大きい場合は、楽器や演奏の音をマイクで集音し、SRを用いるのが一般的である。また、照明、空調、放送機器など演奏に関係ない部分には電力が使われる。制限が緩い場合もあり、アコースティック・ギターにピックアップを取り付けたり、エレクトリックアコースティックギターにプラグを差し込んで集音したり、エフェクタ類を通す場合も有る。
アコースティック音楽(Acoustic Music)とも言う。口語で電子装置を使用しない楽器のことを「アンプラグド楽器」(アコースティック楽器)という。
Wikipediaより引用
もしくはpad系のシンセを使って幻想的な雰囲気にするのも有りです。
なんにせよメロディを邪魔しないようなふんわりした音色を選びます。
音域を変える
前述したようにフルートの音域は本来もっと上なので1オクターブ上げるのが手っ取り早そうです。
曲中にベースがいれば話は別ですが今回の曲にはベースがいなかったのでロックオルガンももう少し低めの音域で演奏させます。
音域を把握する際にはアナライザー付きのEQ等で視認するのもおすすめです。
EQでローカットしたり音域を変えたりしながら最終的には「耳での判断」がめちゃくちゃ重要になることをお忘れなく。
フレーズを変える
ロックオルガンのフレーズがずーっと後ろで鳴り続けていることでメリハリがなくどの音が主役なのかが分かりづらいです。
私自身バンドの経験がなく弾き語りから入ったので「全パートフル稼働じゃーー!」と思っていたなのですが、実際は目立つところと支えに回るところが細かく入れ替わっておりその機微が全体のアンサンブルとして心地よく感じる大きな要因です。
バンド経験者からすると当たり前のことですが初心者の頃の私はそれが分かっていませんでした。
フレーズを変えて別のパートも意識してみましょう。
ドラムの打ち込みの罠
BPMを合わせよう
上記の動画ではBPMを合わせず1曲通してドラムを叩ききってた当時の姿が露見しました。
クリックを聞かずに録音すると「どこがどのぐらいズレているか」が分からず修正がまず不可能になります。
また他のパートを追加するときにも基準が無いのでリズムがヨレまくる聴き心地のあまりよくない曲になることが多いです。
まとまりをコピペする
リアルタイムで全部入力するのが悪いということではないのですがこちらの方が効率的です。動画の中でも言及してますがズレを1つずつ直していく手間が嫌になって曲を完成させるというモチベーションが断たれてしまうことになります。
コピペの単位は特に正解はありません。1小節、2小節、4小節と自分の好きなビートを組んだらコピペしてみましょう。
イチから全部作ろうとする
これもよくある罠の1つかもしれません。
DAWや有料ドラム音源には既製ドラムパターンが同梱されていることがあります。
これらを利用すると楽曲のクオリティが跳ね上がることが多々あります。
コピーするのもドラムパターンを選ぶのも全てにその人のセンスが出るので「オンリーワンになれないじゃん」という心配は杞憂です。
まとめ
ここまで振り返ってみて色んな罠を踏んでいたと再確認できました。
しかし、今もこうして曲を作り続けてきたおかげで色んな発信が出来ているのだと痛感した時でもありました。
諦めずに作り続けてきて良かったと心から思います。
上達の際に役に立ったのは「深夜の2時間DTM」というTwitter上での企画への参加かなと個人的には思います。
作品を完成させるという経験を積めたのは大きかったです。
下記の記事でも紹介しているので良かったらご覧ください。