【圧巻】UAD超えた!? Sunset Sound Reverb IIを徹底検証!! 新時代リバーブのおすすめ設定と進化内容を解説!!



IK MultimediaのSunset Sound Studio Reverb IIがリリースされました。
前作から愛用していた身としては、これはかなり嬉しいアップデートです。
そして、実際に使ってみると単なる後継機ではなく音作りの自由度が増していて「別物」と言っても良いほどに進化を遂げていました。
今回の記事では、まず特徴をサラッと整理したうえで、
前作との違い、UADのOcean Way Studio DXとの比較、そして実際に使ってみた率直な感想を中心に書いていきます。
Ocean Way Studio DXについては動画も上げているので是非ご覧ください。
特徴の整理
まず、今回のSunset Sound Studio Reverb IIの特徴を、ざっくり短くまとめるとこんな感じです。
27ポジション・336IRデータ
各ルーム内で音源を置く位置を細かく選べるようになり、実測されたIRデータも大幅に増量。
つまり、同じ部屋でも「どこで鳴っているか」をかなり細かくコントロールできます。
2基の独立リバーブエンジンを並列駆動
2つの異なる空間設定を同時に重ねられます。
これがかなり大きくて、単純なリバーブではなく、空間のレイヤーを作る感覚で使えるようになっています。
Sizeコントロールとダンピング
残響の長さだけでなく、空間そのもののスケール感や、部屋の吸音状態まで調整可能。
「ただ長くする」だけではない、より立体的な空間設計ができます。
EQやコンソールモデリング
リバーブ単体の音だけでなく、質感や厚みまで作り込めるのが強み。
API系とNEVE系のキャラクターを使い分けることで、同じ空間でも印象がかなり変わります。


前作と何が違うか

前作はLIVE ROOMの3番が非常にお気に入りでした。
コントロールノブもかなり少なく、センドで送って音量バランスを整えるぐらいの明快な使い方でした。
今回、進化した点で言うと「音作りの自由度」が格段に上がりました。
・どこに音源を置くか
・どれくらい部屋成分を出すか
・どれくらい吸音された空間にするか
・2つの空間をどう混ぜるか
と言うところまで設計出来るようになっています。
つまり今作では、部屋そのものを設計&演出するプラグインになったという感じです。
ネガティブな面
しかし、それらは裏を返せば「迷いやすくなった」と言うことでもあります。
前作の場合は、1~3番のROOMを切り替えて合わなければ別のプラグインを試してみるというシンプルな操作性ゆえの決断の速さがありました。
しかし、今作になって一気に自由度が増えたので、
「こうしたらもっと合うかも」
「このポジションならどうだろう」
「Room 1とRoom 3をどう組み合わせるといいか」
などの試行錯誤の余地が生まれました。
もちろん、ポジティブな要素ではあるのですが、人を選びそうな進化だと感じました。
・試行錯誤が好きな人には今作の方が圧倒的に楽しい。
ここは抑えといた方が良いかも知れません。
ポジションの考え方
このプラグインの面白さは、グリッド上のポジション移動にあります。
大事なのは、位置を動かす=単純に音量や残響時間が変わる、ではないということ。
変わるのは、主に下記の5つです。
・反響の出方
・残響の密度
・距離感
・部屋鳴りのまとまり
・定位の感じ方
ざっくりした感覚としては、こう捉えると分かりやすいです。
手前
リバーブは控えめで、近くに感じる。
メイン楽器向きで、前に出したい音に合います。
中央
バランスが良い。
その部屋で録っている感覚がいちばん出やすい位置です。
壁寄り
反射が早く返ってきやすく、密度感や色付けが増えます。
定位も少し寄りやすく、キャラクターが出ます。
奥
部屋成分が強くなり、遠近感が出ます。
空間に包まれる感じを出したいときに向いています。
残響感の変更の方法
とは言え、手前と奥とで、そこまで残響感が明確に変わるかと言うと個人的には微妙な部類だと思っています。
「もっと大きくて長い響きが欲しい」
「広い空間を感じたい」
という時にはポジションよりDecayとSizeの影響が大きいと感じました。
このプラグインを使う上で結構大きなポイントだと思います。
あくまでこのスタジオの空間の中で「どの場所に鳴らすか」を決めるものですが、DecayとSizeは、残響そのものの印象を変えてくれます。
逆に、短く圧迫感のある残響が欲しいなら、ISOブースを使ったほうが狙いやすい場面があります。
ISOブースが意外と重要
使ってみて思ったのが、「残響を近くしたい」「短くしたい」と思っても、通常のルームでは限界があります。
圧迫感や音の厚みを出すという意味では、ポジションを手前にするよりISOブースを使う方がより好ましいです。
残響感はほぼ無く、質感を変えてくれる感じに近いというか、UADの「RE-MIC」に近い気がします。
後述するリバーブの並列駆動(デュアル設定)時に片方ISOブースを入れておくと異なる空間がレイヤーされてより、生っぽい音の響きにすることが出来ます。
UAD Ocean Way Studio DXとの比較
ここは多くの人が気になるポイントだと思います。
結論から言うと、完全な上位互換ではないです。
ただし、既に十分な対抗馬である、というのが率直な感想です。

動かす「モノ」の違い
決定的に違うのは、UADは「マイク」の位置を動かしますが、今作は「音源」の位置を動かします。
これによって何が変わるかと言うと、UADは変化量がかなり明快です。
3組のマイクがどの距離で音を拾い、どの音量で出すのかがコントロール出来て、所謂リバーブとして距離感を作るのはこちらの方が上手です。
一方で、前述した通りSunset Sound Studio Reverb Ⅱは、残響感のコントロールは出来ますが、そこまでハッとする感じではありません。
どちらかと言うと質感や、そのスタジオの空気感や生々しさや色気を底上げするタイプのように感じます。
この楽曲への「溶け込み方」が好きかどうかで評価はかなり分かれそうです。
派手な変化を求めるならUAD。
スタジオの空気感そのものを楽しみたいならSunset Sound II。
と言う印象を感じました。
CPU負荷について

率直に言うと、UADのOcean Way Studio DXは、使っていてまじで重いです。
多用したいプラグインではあるんですが、挿す前に必ず上書き保存したくなるレベルでヒヤヒヤします。
それに比べると、Sunset Sound Studio Reverb Ⅱはだいぶマシです。
体感でも数値上でも1.5〜2倍くらい重い印象です。

とは言え、前作よりかは多少重くなっています。
画像で「TR5」と頭に書いてあるのが前作です。
単なるリバーブであればセンドで使うので多少重くても良いのですが、トラックに入れて質感を変えるのであれば、せめてこのぐらいに抑えていて欲しいです。
デュアル設定の使い方
前述した通り、このプラグインの面白さをもっとも実感しやすいのが、2基の独立リバーブエンジンを組み合わせる使い方です。
① ISO近め+長めのプレート
これはボーカルにかなり使いやすいです。
ISOで近さを残しつつ、プレートで存在感と艶を足すイメージ。
歌を前に出したまま、少しリッチにしたいときに向いています。
② ROOMタイト+チェンバー
これはドラム向きです。
ルームで芯を残しつつ、チェンバーで空気感を足すと、打ち込みでも一気に“録音物”っぽくなります。
タイトなのに薄くならないのが良いところです。
③ ROOM1近め短め+ROOM3遠め長め
これは空間のレイヤーをはっきり作りたいときに便利です。
近い部屋で輪郭を残して、遠い部屋で奥行きと余韻を足すことが出来ます。
この手の組み合わせは、単発で聴くと地味でも、ミックス全体ではかなり効きます。
特に初心者〜中級者の人ほど、こういう2段構えの空間作りは試す価値が高いです。
個人的にはかなり好きです。
正直、前作が好きだった人ほど、今作は素直に楽しめると思います。
Ocean Way Studio DXのような劇的な変化を求めるか、
Sunset Sound Studio Ⅱのような自然な空気感とスタジオの色気を求めるか。
ここは好みが分かれるところですが、少なくとも十分な対抗馬であると感じました。
CPUの負荷も実用的なラインに収まってくれているところも非常に高評価です。


そして何より、
前作が好きだった自分にとっては、ちゃんと「続編として嬉しい」完成度でした。
この系統のプラグインが好きな人には、かなりおすすめできます。
このブログ記事が、皆さんの音楽制作に役立つ情報を提供できることを願っています。
さらに詳しい情報や、ご意見ご感想があればぜひコメントをお待ちしています。



